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Microsoft、AIによる新たな検索「Bing」発表 「ChatGPTより有能」

Microsoftは7日(米国時間)、OpenAIの大規模言語モデルを搭載した新たな検索エンジン「Bing」とWebブラウザー「Edge」を発表した。Bing.comでプレビュー版を提供開始し、より優れた検索と正しい回答、新しいチャット体験、コンテンツ生成などに対応する。同社ではこれらの新たなツールを「WebのAI副操縦士(AI copilot)と位置づけている。

新しいBingでは、「検索」「ブラウジング」「チャット」を1つにまとめ、Web上のどこからでも呼び出せる統合された体験を実現する。

検索においては、スポーツの試合結果、株価、天気などシンプルな問いに対してより関連性の高い結果を提供。さらに、サイドバーでより包括的な回答を表示できるようにする。

検索結果は、単なる結果の表示だけでなく、求められる回答を想定して要約する。例えば、作っているケーキで、卵から別の材料に変える方法を、複数の結果をスクロールせずにその場で詳しい説明を得られるという。

チャットによる双方向的な検索も可能になる。例えば旅行の計画や、購入するテレビのリサーチなどにで、新しいBingのチャットが利用可能になる。このチャットでは、詳細な情報や明確な情報、アイデアを求めるためにチャットでやりとりし、答えが得られるまで検索を絞り込める。

さらに、新しいBingにはAIによるコンテンツ生成機能を搭載。例えば、ハワイでの休暇のための5日間の旅程の作成や、旅行・宿泊の予約、面接の準備、クイズの作成などでBingの機能を役立てられるという。

新しいMicrosoft Edgeブラウザーでは、AI機能と新たなデザインを採用する。

新たなサイドバー「Edge Sidebar」では、長文の財務報告書などの要約が可能で、さらにチャットにより競合他社の財務報告書との比較を行ない、自動的に表にするといった作業が可能。また、LinkedIn(Microsoft傘下のビジネスSNS)の投稿では、投稿時のAI支援も行ない、「プロ風」「カジュアル」などの投稿のトーンや、フォーマット、長さなどをEdgeの手助けを借りて投稿できる。

LinkedInの投稿

新しいBingとEdgeを使った投稿・検索例として、単なる単語の組み合わせではなく、「9月に結婚記念日があるので、ロンドンから出発してヨーロッパのどこか楽しい場所に行く計画を立てるのを手伝って」といった文章から絞り込める点が大きな特徴としている。

Microsoftのサティア・ナデラCEOは、「1日に100億の検索クエリがあるが、約半分は回答できていない。それは人々が検索を、本来意図されていない使い方をしているから。『検索』は、Webサイトを見つけるには適しているが、より複雑な質問やタスクには不十分な場合が多い」と言及。AIの活用により、本来見つけたいものを見つけやすくする支援を行なう。

新しいBingには、会話型のAIサービス「ChatGPT」よりも強力で、検索用にカスタマイズされた、新しい次世代OpenAI大規模言語モデルを活用。ChatGPTとGPT-3.5から学習と進歩を取り入れ、「さらに速く、正確で、より有能」としている。

また、OpenAIの新たな言語モデルにより、関連性が高く、タイムリーで的を射た結果を得るためにMicrosoft Prometheusモデルを導入。コアとなる検索アルゴリズムも、AIモデルを導入し、基本的な検索クエリでもより正確で、より関連性の高い検索が行なえるようになるという。

新しいBingは、7日からデスクトップ版で限定プレビューとして利用可能。Bing.comにアクセスし、サンプルクエリーを試したり、ウェイティングリストに登録できる。プレビューは、今後数週間のうちに数百万人に拡大し、モバイル版も近日中に公開する予定。