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EVから給電でエレベーターを動かす「V2X」 日産と日立ビル

日産自動車と日立ビルシステムは、電気自動車(EV)からの給電で停電時のエレベーターを動かす「V2Xシステム」の普及に向け協業を開始、実証実験を共同で実施した。

第1弾の取り組みとして共同で実施されたのは、軽の電気自動車「日産サクラ」と、日立の標準型エレベーター「アーバンエース HF」をV2X(Vehicle to X)システムでつなぎ、電気自動車からの給電でエレベーターを継続運転させるという実証実験。

実験では、実利用を想定した重りを搭載したエレベーターについて、1階と6階でドアを開閉し、10時間連続の往復運転を実施した。

日産サクラのバッテリー容量は20kWhで、100%の状態から実験。10時間連続の稼働に成功し、エレベーターの昇降回数は263回(往復)だった。この時点での日産サクラのバッテリー残量は46%だった。

なお、電気自動車「日産リーフe+」(60kWh)を同条件で用いた場合の理論値は、バッテリー残量が72%となる。

今後はEVのバッテリー残量がリミット(残量10~20%)になるまでの、長時間連続稼働の実証実験も行なう予定。

地震などの自然災害で停電が発生した際、マンションのエレベーターなど共用部設備が使用できなくなることを回避するための取り組み。非常用電源として蓄電池などをマンションに整備する動きも進んでいるが、導入コストが課題になっている。V2Xシステムは、自動車とさまざまなモノを繋ぐシステムで、電気自動車の普及を見据え、ビルの非常時の電源として電気自動車の電池を活用するシステムが注目されている。