ニュース
羽田エアポートガーデン、“3年間の沈黙”からついに全面開業
2023年1月25日 16:22
羽田空港第3ターミナル直結の複合開発プロジェクト「羽田エアポートガーデン」を1月31日に全面開業する。土産物、旅行グッズを取り扱う物販店舗や、ホテル、レストラン、フードコートといった飲食店舗など、約80店舗が出店する。
全1,717室のエアポートホテル、展望天然温泉、イベントホール・会議室、商業施設、バスターミナルで構成される複合施設。中核施設の「住友不動産ホテル ヴィラフォンテーヌ プレミア羽田空港・グランド羽田空港」は2022年12月21日に先行開業していたが、1月31日に商業施設やバスターミナルなどの周辺施設を含めて開業する。
住友不動産による同施設は、2020年3月に竣工し、同年4月の開業を予定していた。しかし、新型コロナウイルスの影響により延期され、ホテルの一部は帰国者の隔離などにも使われてきた。約3年を経て、インバウンド需要も回復を見せていることから「全面開業」を決定した。
大規模ホテル+商業施設+バスターミナル
羽田エアポートガーデンは。羽田空港第3ターミナル直結の立地で、敷地面積は43,000m2、建物の規模は地上12階。1階にイベントホール、バスターミナル、レストランゾーン、1階と2階にショッピングゾーン、2階から12階にホテルが設置され、ホテル施設として12階に天然温泉を展開する。
ショッピングゾーンは、2階の羽田空港第3ターミナルからの入り口が、日本文化を感じられる名産品を取り扱う「Japan Promenade」。その先に、土産や雑貨などのショップが並ぶ「羽田参道」、旅先で快適に過ごすためのアイテムを揃える「HANEDA COLLECTION」があり、1階に降りると、和食からラーメン、フードコートなどの飲食店が並ぶ「Haneda Food Selection」と「大江戸フードホール」で構成される。マツモトキヨシやローソンなども含め、約80店舗を取り揃えている。
Japan Promenadeは、物販と軽飲食が中心。杉養蜂園、福井洋傘、boco STOREなどが展開する。羽田参道は、お土産用の日本酒や和菓子、旅の必需品などを揃え連続する鳥居のようなショッピングストリートになる。
店舗数は、Japan Promenadeが14店舗、羽田参道が16店舗、HANEDA COLLECTIONが15店舗、Haneda Food Selectionが18店舗(ホテル内レストラン含む)、そのほかの店舗が10店舗。
4階以上は大規模ホテルの「住友不動産ホテル ヴィラフォンテーヌ プレミア羽田空港・グランド羽田空港」。ロビーにはバーも用意されており、対岸の川崎にある「キングスカイフロント」を見ながら飲食を楽しめる。
ホテル施設として、ホテルレストラン、バー、展望天然温泉を展開。ホテル宿泊者以外でも、レストランや温浴施設、敷地内にある駐車場を利用できる。温泉の名称は「天然温泉 泉天空の湯 羽田空港」。
イベントホールの「ベルサール羽田空港」も新設される。約2,400m2で、約1,000名まで収容可能な大型イベントホール(1,109m2・天井高4.5m)と会議室・バンケット(10室)で構成される。国際会議や学会、催事など、空港直結MICE会場としての活用を目指す。
ホテルの1階部にはバスターミナルが新設される。ターミナルは全天候型で、待合スペースやトイレ、授乳室などの設備を備える。羽田エアポートガーデンが隣接しているため、ショッピングや飲食などの待機時間も快適に過ごせる点が特徴。
青森から大阪まで新しい観光路線を誘致、羽田空港と観光地をダイレクトに繋ぐのが特徴。開業時点では30数便となるが、全国各地に向けた一大移動拠点となることを目指す。
羽田エアポートガーデンの所在地は東京都大田区羽田空港2丁目7。延床面積91,500m2、店舗延床面積7,536m2。
温浴施設やゆとりの食事で東京を愉しむ
住友不動産ヴィラフォンテーヌの桝井俊幸社長は、3年間の開業延期の間も関係者と協力して、準備を進められたと説明。当初出店予定だったテナントも95%がそのまま出店に至るなど、高い期待を感じているとする。
羽田エアポートガーデンは、「住友不動産グループが総力を結集した施設」と強調し、中心となるエアポートホテルとともに、日本の玄関口にふさわしい施設を目指すと語った。
大規模なホテルを軸に、商業施設やバスターミナルなどが連携した観光利用のみならず、周辺の羽田イノベーションシティや多摩川対岸のキングスカイフロントとの連携による「ビジネスエリア」としての拡大も目指す。
ホテルのアピールとしては、「空港に夜に着いて移動できない人でも、食事や温泉などにたどり着ける。またこうした施設があることで、東京出張や旅行などでも少し早めに到着して、『羽田でゆっくり』してほしい」と語り、「東京の最初の拠点」として、羽田エアポートガーデンの利用を推していく。
一般的な空港施設は、出発待ちの時間の有効活用のため、すぐに食事できるファーストフード的な店舗が充実しているが、羽田エアポートガーデンは、比較的落ち着いて食事を楽しむお店も多いのも特徴だ。こうした点も「滞在型」需要を見越してのことだという。
今後、インバウンドの回復も期待される中で、「羽田にいるだけで、温泉やお土産、地域の名産などに触れられる施設」として海外にも訴求。日本への最初の入口・最後の出口として日本を体験してもらえる施設を目指し、空港のポテンシャルとホテル連携を最大限に活かして羽田エアポートガーデンを運営していく。