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「虎ノ門ヒルズ ステーションタワー」秋開業 49階・266m

森タワー29階から見た現在のステーションタワー

東京メトロ日比谷線 虎ノ門ヒルズ駅直結の、地上49階、高さ約266mの複合超高層タワー「虎ノ門ヒルズ ステーションタワー」が、秋に開業する。これにより、ステーションタワー、森タワー、ビジネスタワー、レジデンシャルタワーで形成される「虎ノ門ヒルズ」が、六本木ヒルズに匹敵するスケールの街として完成する。

森ビルが参加組合員として参画し、虎ノ門一・二丁目地区市街地再開発組合が推進する事業。虎ノ門ヒルズ全体ではこれまでに、森タワーが'14年5月、ビジネスタワーが'20年1月、レジデンシャルタワーが'22年1月に竣工した。また、ステーションタワーは虎ノ門ヒルズ駅と一体的に開発する計画で進められており、虎ノ門ヒルズ駅は'20年6月に開業していたが、地下鉄駅前広場等の完成により本格開業となる。

完成イメージ
左から、ステーションタワー、ビジネスタワー(森タワーの左奥側)、森タワー、レジデンシャルタワー
虎ノ門ヒルズエリア 1/200模型
虎ノ門ヒルズ配置図
虎ノ門ヒルズ駅は開業しているが、引き続き工事が進められている

ステーションタワーは、地上49階、地下4階、高さ約266mの、多用途複合の超高層タワー。虎ノ門ヒルズ駅との一体開発で、面積2,000m2、天高18mの開放的な地下鉄駅前広場「ステーションアトリウム」を創出するほか、桜田通り上には「森タワー」のオーバル広場へと接続する幅員20mの大規模歩行者デッキ「T-デッキ(愛称)」を整備する。

ステーションアトリウムは3層吹き抜けで、全天候型でありながら自然光が注ぎ込む空間を実現する。

駅前広場イメージ (c)DBOX for Mori Building Co., Ltd

T-デッキはステーションタワーを貫通するように通り、歩車分離を通じた安全・安心な街を提供するほか、街区や幹線道路を跨いだ東西のメインストリートとしての役割も果たす。また、森タワーのオーバル広場と連携する「もうひとつの広場」として、賑わい創出への貢献を目指す。

T-デッキの完成により、虎ノ門ヒルズの各施設がバリアフリーで接続されるほか、虎ノ門駅、虎ノ門ヒルズ駅、空港リムジンバスや都心と臨海部を結ぶ東京BRTが発着するバスターミナルともバリアフリーで繋がる。

T-デッキ イメージ (c)DBOX for Mori Building Co., Ltd
T-デッキ 現況(1月12日撮影)
T-デッキ 現況(1月24日撮影)
T-デッキ 現況(1月24日撮影)
T-デッキ 現況(1月24日撮影)

これらにより、地上・地下・デッキレベルの重層的な交通ネットワークを強化・拡充し、虎ノ門ヒルズの交通結節機能強化、エリア全体の回遊性の向上、賑わい創出につなげる。

商業・オフィス・ホテルのほか、最上部にホール・プール・レストラン

ステーションタワーでは、地下鉄駅前広場と一体となった商業施設、国際水準のオフィス、東京初進出のホテル等を展開するほか、建物最上部にホール、ギャラリー、プール、レストラン等を有する情報発信拠点「TOKYO NODE」を開設する。

商業施設は約80店舗、約14,400m2にて展開。ステーションアトリウムと直結したマーケット「T-マーケット」、エリア初となる大型セレクトショップ、都心最大級の総合ウェルビーイング施設、ライフスタイルやビューティーのニーズに対応する店舗がオープンする。

T-マーケットの営業時間は7時から23時まで。約3,000m2に、27店舗の飲食・食物販・物販が配置される。中央部には約130席の共通席を設け、店舗を横断した食事も可能。店舗同士のコラボレーションイベントや、アートや音楽と融合したカルチャーイベントの開催なども計画している。

T-マーケット イメージ

セレクトショップは70以上のブランドを持つベイクルーズによる「BAYCREW'S STORE TOKYO(仮称)」を展開。規模は約2,800m2で、ベイクルーズのフラッグシップストアとなる。ウェルビーイング施設は東急スポーツオアシスが運営し、規模は都心最大級の約2,000m2となる。

これらにより、虎ノ門ヒルズの商業施設は従来の約2.5倍の面積へと拡大する。

オフィスは、9階、10階、15階~44階にて、総貸室面積約107,000m2の最先端ワークプレイスとして誕生。基準階面積約3,400m2、コアから窓面までの距離約18.5mの無柱空間としており、多様なニーズに応じた自由なレイアウトが可能となっている。

また、ワーカー同士のコミュニケーションやコラボレーション促進を目的として、吹き抜け空間や上下階を繋ぐ階段をあらかじめ設けた「マグネットゾーン」を計8カ所整備。建物の外側からの視認性を高く設計することで、「建物内部での様々なアクティビティが街全体へと広がっていく」「街全体をワークプレイスとして活用する」というメッセージを込めたという。

オフィスエントランスイメージ (c)DBOX for Mori Building Co., Ltd
オフィス専有部「マグネットゾーン」イメージ (c)DBOX for Mori Building Co., Ltd

ホテルは、1階、11階~14階にて、客室数205室、標準客室約27~34m2の「ホテル虎ノ門ヒルズ」を展開。ブランドは、ハイアットのインディペンデント・コレクションの1つ「アンバウンド コレクション by Hyatt」で、東京初進出となる。

ホテル虎ノ門ヒルズ 客室イメージ

ステーションタワーの最上部である45階~49階(一部8階)には、約10,000m2の情報発信拠点「TOKYO NODE」を設置。ビジネス、アート、エンターテイメント、テクノロジー、ファッションなど、ジャンルにとらわれない様々なコラボレーションを促進し、新たな体験、価値、コンテンツ、情報の、創出および世界に向けた発信を目指す。

TOKYO NODE イメージ (c)DBOX for Mori Building Co., Ltd

スカイガーデン&プール、レストラン、ホール、ギャラリー、ラボ、スタジオ、カフェで構成。スカイガーデン&プールではファッションショーやパーティの開催も可能。メインホールや3つのギャラリーなどは、それぞれ単体での利用だけではなく、連結した回遊型の会場として一体的な利用ができる。

TOKYO NODE スカイガーデン&プール イメージ (c)DBOX for Mori Building Co., Ltd
TOKYO NODE メインホール イメージ (c)DBOX for Mori Building Co., Ltd
TOKYO NODE ギャラリー イメージ (c)DBOX for Mori Building Co., Ltd

ホールの規模は座席数338席、面積460m2。ギャラリーは、240m2、1,020m2、220m2の3つ。3つのギャラリーを合わせると、森美術館の規模に匹敵する空間になるという。

また、フォーマルからカジュアルまで4つの特徴的な飲食施設を用意。通常利用のほか、ケータリングやコラボレーションカフェ等としてイベントとの連動にも対応する。ラボは、クリエイターとの共創の場として展開する。

TOKYO NODEの施設・機能を、虎ノ門ヒルズフォーラム、アンダーズ 東京、新虎通りなど、既存のイベントスペースやメディアと掛け合わせることで、街全体が情報発信の舞台となるとしている。

そのほか、ステーションタワーの様々な場所にパブリックアートを配置する。

麻布台ヒルズも秋に開業

虎ノ門ヒルズの開発について、森ビル 代表取締役社長 辻慎吾氏は、単なるビルの建て替えではなく、都市インフラと一体となった再開発であると説明。環状二号線との一体的な開発によって2014年に誕生した森タワーを例に挙げ、ビルの地下に道路を通すことで、環状二号線開通の最も困難な課題をクリアし、羽田空港へのアクセス向上、東京の都市力強化に大きく貢献したと述べた。

森タワーの下を通る環状二号線
羽田空港までのアクセス向上

ステーションタワーにおける、T-デッキや虎ノ門ヒルズ駅開業も、連携による都市再生に位置付けている。

虎ノ門ヒルズ全景 イメージ (c)The Boundary
虎ノ門ヒルズ全景 イメージ(夜) (c)The Boundary

虎ノ門ヒルズ全体については、オフィス、住宅、ホテル、商業、情報発信拠点という、多様な都市機能を備えたコンパクトシティであるとしている。区域面積は7.5haと、六本木ヒルズの11.6haに対してコンパクトながら、延床面積は792,000m2と、六本木ヒルズの759,000m2に匹敵するスケールとなっている。

また森ビルでは、東京を国際都市間競争を勝ち抜く都市にするというミッションを掲げており、虎ノ門ヒルズに加えて、麻布台ヒルズもこの秋開業する。麻布台ヒルズでは「Green & Wellness」をコンセプトに掲げ、自然と人が共生する環境を都心で実現できるという。

辻氏は、「これら2つの街が2023年の東京に生まれることには大きな意味があり、東京という都市の未来に必要な価値を提示している。新しい価値を備える都市とすることで、東京は国際都市間競争を勝ち抜くことができるはず」と説明した。

森ビル 代表取締役社長 辻慎吾氏

虎ノ門ヒルズ ステーションタワーの所在地は東京都港区虎ノ門一丁目、二丁目の一部。施行地区面積は約2.2ha。プロジェクトでは地上49階建てのA-1街区(虎ノ門ヒルズ ステーションタワー)のほか、地上4階・地下3階のA-2街区(グラスロック)、地上12階・地下1階のA-3街区(虎ノ門ヒルズ 江戸見坂テラス)が整備される。

森ビルの戦略エリアとして、虎ノ門ヒルズ、麻布台ヒルズのほか、六本木ヒルズ、アークヒルズがある。

森ビルの戦略エリア
計画地周辺エリア 1/1,000模型。手前が虎ノ門ヒルズ
虎ノ門ヒルズムービー2023|WELCOME TO TORANOMON HILLS