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JR東とKDDI、混雑回避・回遊販売できる都市データ連動型ロボット配送
2023年1月10日 16:45
JR東日本とKDDIは、配送ロボットがお弁当を時間通りに届けるフードデリバリーサービスの実証実験を、JR目黒MARCビルにて1月11日より開始する。ビルに設置された防犯カメラの画像をAI解析し、ロボットに人の密集度を伝えることで、最適なルートで移動できるか検証する。
同実証実験では、JR目黒MARCビル内で勤務するオフィスワーカー向けに、事前に注文を受けたお弁当を時間通りにオフィスフロアまで配送するサービスのほか、JR品川駅のエキナカ商業施設「エキュート品川」で販売しているお菓子・軽食を、ビル内(ラウンジ/ロビー/フロアなど)の人の多い場所に移動して回遊販売するサービスを試験的に提供する。
ユーザーがWebサイトからお弁当を予約すると、エキュート品川へ商品手配が依頼され、ロボットに商品が積み込まれる。その後、オフィスフロアまでロボットがお弁当を配送する。
お弁当は「エキュート品川」で取り扱っているものを週替わりで提供。1月11日~1月13日はイーションの「炙り!ノルウェー産サーモンのハラス蒲焼重」(999円)、1月16日~1月20日は日本橋だし場 OBENTOの「だしわっぱ飯」(980円)、1月23日~1月27日は塚田農場 OBENTO&DELIの「北海道産黒牛100%黒牛バーグ弁当」(1,150円)が用意される。
同実証実験は、「高輪ゲートウェイシティ(仮称)」のまちづくりをコアとしてJR東日本とKDDIが取り組む、場所や時間にとらわれない働き方・くらし方を創出する「空間自在プロジェクト」の一環の、「配送」にフォーカスした取り組み。都市OSとロボットプラットフォームとを連携させることにより、街のあらゆる場所で心豊かなくらしを可能にするロボットサービスの提供を目指すという。
街へのロボットの導入においては、メーカーの異なる複数ロボットの協調制御や位置情報の一括管理が困難であるほか、ビル内への導入においては、エレベーターなどの設備と連携させることが難しいという課題がある。
これを受けて、都市OSで、ビルに設置された防犯カメラの画像をAI解析し、ロボットに人の密集度を伝えることで、最適なルートで移動ができるか、配送サービスを用いて検証する。また、JR東日本グループの商業施設と連携した"ちょっといい"体験を提供するフードサービスと、ロボットによる商品を時間通りに届けるサービスを組み合わせた、新しい食提供サービスづくりを目指すという。
検証項目は、「人の密集検知による走行ルートの選択」、「メーカーが異なる複数ロボットの協調制御」、「エレベーターとの連携によるフロア移動」の3つ。
「人の密集検知による走行ルートの選択」では、都市OSがAI画像解析により人の密集度を算出し、ロボットプラットフォームに連携。最適なルートを選択してロボットに指示を出す。お弁当配送の際は密集度が低いルートを、回遊販売では販売機会を逃さないよう密集度が高いルートを走行。将来的には人の密集度に加えて購買データなどのさまざまなデータと連携させることにより、さまざまなサービスの需要に合わせた効率的なルート選択の実現を目指すという。
「メーカーが異なる複数ロボットの協調制御」では、エントランスロビーで配送ロボットと警備ロボットが稼働する中、配送ロボットの走行を優先させる協調制御が可能か検証する。複数ロボットの協調制御の検討を深度化することで、将来的にはさまざまなメーカーのロボットが自由に走行できるまちづくりを目指す。
また、ロボットプラットフォームとエレベーターとの連携により、ロボットが人の介在なくエレベーターを利用し、異なるフロアへ配送することが可能か検証する。ロボットサービスとさまざまな設備との連携を進めることで、将来的にはロボットがより多くの場所に行けるようになることを目指す。
実証実験の期間は1月11日から1月27日まで。
今後は、ロボット配送サービスに加え、都市OSとさまざまなサービスとの連携を検討し、駅や街の各施設で得られたさまざまなデータをプラットフォーム上で繋ぐことで、街の価値向上に向けた新たなサービスの創造に取り組んでいくという。加えて、「高輪ゲートウェイシティ(仮称)」への実装に向けてさらなる展開を目指すという。