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G-SHOCK 40周年始動イベント、歴史・進化・AIコラボ!? など盛りだくさん
2022年12月6日 15:00
カシオ計算機は、G-SHOCKが2023年で誕生40周年を迎えることを記念し、キックオフイベント「G-SHOCK PREMIUM NIGHT」を開催した。第1部は、歴史と今後の方針がプレゼンテーションで紹介され、第2部にはTM NETWORK(G-SHOCKと同じく2023年で結成40周年)とAwichが登場、スペシャルライブが開催された。
プレゼンテーションでは、耐衝撃性能や防水性能だけでなくさまざまな“タフネス”に挑戦し実現してきた歴史や、電波やGPSなどの技術で時計の精度の確保も両立させたこと、素材や仕上げの技術を向上させてきたことなどを紹介。G-SHOCK黎明期にすでに、当時は非常識だったという樹脂素材のカラー展開を実現しており、現在でも鉄鋼メーカーと新規素材を開発したり、バイオマスプラスチックの採用も始めたりするなど、“常識への挑戦”は続いている。
登壇したカシオ計算機 常務執行役員 営業本部 副本部長兼マーケティング統轄部長の伊東重典氏は、G-SHOCKが支持される理由について「どのような過酷な条件でも時計として駆動し続けること」が、エッセンシャルワーカー(物流や生活インフラの労働者)やプロ、アスリートに愛用されてきた理由であるとし、「耐衝撃のために生み出されたデザイン、細部に至るまで意味を持った造形」が、見る人を魅了する機能美になっているとする。
またファンも一緒に成長してきたとし、多くの要望に応えるべく努力をしてきたことを紹介。「さまざまなカルチャーと共鳴し、時代の先端を走る」「本物を知る大人のための進化も追求していく」と、2つの進化が同時に進行していく様子を語っている。
40周年、今後も「世界のビッグネームとタッグ」
G-SHOCKのラインナップでは、すでに40周年記念モデルが発表、発売されているが、伊東氏のプレゼンテーションでは、2023年に入って発売されるモデルの一部も紹介された。
そのひとつが、フルメタルの「GMW-B5000」をベースにした「GMW-B5000TCC」(214,500円)で、内部のモジュール・基板の回路をモチーフにした模様が、複雑な加工技術と工程で全体に描かれるモデル。もうひとつはダイバーズウォッチの「FROGMAN」(フロッグマン)の30周年を記念する「GWF-A1000APF」(137,500円)で、こちらはヤドクガエルをモチーフにした刺激的なデザイン。複雑な成型パーツやクリアカラーパーツをさまざまに組み合わせた仕上げになっている。どちらも発売は2023年1月を予定する。
伊東氏は、「世界のビッグネームとタッグを組んだ企画も予定している」とさらなる展開も予告、G-SHOCK40周年の2023年が華々しいものになることを明らかにした。
2023年、まったく新しいG-SHOCKが登場する?
第1部のプレゼンテーションの後半には、カシオ計算機 技術本部 企画開発統轄部 企画部 第一企画室の伊部菊雄氏が登壇し、G-SHOCKのビジョンを語っている。伊部氏は、G-SHOCKの初号機を開発した、G-SHOCKの生みの親。
1980年代初頭、腕時計は身につける繊細な精密機械で、薄型化が競われていた時代。「落としても壊れない腕時計」は“非常識な挑戦”だったと振り返る。
伊部氏は、ストリートファッションとして広まり、ファンが増えたことで、気分を変えて欲しいという想いから考えた“フルメタルG-SHOCK”もまた、非常識な挑戦だったと振り返る。こちらはチームの若手メンバーによる、自動車のバンパーからヒントを得た機構で課題を解決したものの、当時のフルメタルボディはシルバーカラーのみで、社内の「G-SHOCKといえば黒」という反対の声で販売計画が頓挫してしまう。しかし、時計部門の責任者だった伊東氏による「これこそが望んでいた新しいG-SHOCKだ」という一声で発売が実現、1996年のMR-Gの初号機になったことを説明している。
伊部氏は「若い人が作り、ベテランが守る」と自身は開発メンバーを支援する立場であることを示唆しているが、今後の展開について、「AIとのコラボ」という新機軸の展開も明らかにしている。
これは漠然とした構想ではなく、具体的に進められている計画のようで、39年間の耐衝撃に関する膨大なデータを人工知能が処理し構成した上で、人間のデザイナーによるデザインとのコラボレーションを行なうという。「見てびっくりするのは、もう少し後です」と、少し時間がかかるとするが「斬新で美しいデザインにチャレンジ」と表明。すでに意匠特許も出願中で、万全なプロジェクトとして進めているという。「これからも、若い人の力で、チャレンジとネバーギブアップを続けていきます」(伊部氏)。
大型イベント「G-SHOCK REAL TOUGHNESS」復活へ
第2部のスペシャルライブの後には、来場者に向けて、大型イベント「G-SHOCK REAL TOUGHNESS」(リアルタフネス)が2023年に復活して開催されることがアナウンスされた。
リアルタフネスは、ダンス、BMX、スケートボードに音楽やアートも加えたストリートカルチャーのイベント。特にダンス、BMX、スケートボードは、世界中のトップアスリートが参戦する大会として知られる。2023年夏に予選を開始し、年末に決勝大会を迎える予定で、詳細は今後明らかにされる。