南海電鉄全駅にVisaタッチ決済導入へ。タッチ・QRなど3方式改札も

南海グループは、南海電鉄などで展開している「Visaのタッチ決済」の交通利用や、「QRコードを用いたデジタルきっぷの発売」の実証実験終了後も継続強化すると発表した。南海電鉄では'23年度から順次全駅にVisaのタッチ決済を導入するほか、泉北高速鉄道では12月からVisaのタッチ決済とQR、交通系ICに対応した一体型改札を導入。今後のインバウンド需要や大阪・関西万博に向けてサービス強化する。

実証実験は、南海電気鉄道と泉北高速鉄道、南海りんかんバス、南海フェリー、三井住友カード、QUADRAC、ビザ・ワールドワイド・ジャパンが協力し、Visaのタッチ決済とQRコードを用いたデジタルきっぷについて、約1年9カ月にわたり実施。その結果、利用者にサービスを提供できるレベルであると確認できたため、12月11日で実証実験期間を終了し、12月12日以降もサービスを継続することを決めた。

南海電鉄では、2021年4月から、Visaのタッチ決済による、改札での運賃支払いシステムの運用における検証や、クラウドサービスのメリットを活かした運賃割引キャンペーンなどを展開。この取組をグループ会社へ展開し、'21年10月から南海りんかんバスでの区間運賃収受、'22年3月から南海フェリーでの鉄道との乗継の「スマート好きっぷ」の実証実験を開始、'22年4月からは南海電鉄と相互乗り入れを行う泉北高速鉄道との鉄道事業者間の乗継運賃を実現してきた。

Visaのタッチ決済対応カードによる交通利用は、海外で利用エリアが拡大しており、日本国内で対応することで、インバウンド旅客の移動の円滑化を図れるほか、乗車券発売窓口の混雑緩和なども図れ、国内の利用者から手応えもあることから、サービス継続とともにエリアを拡大を図っていく。

具体的には、2023年度から南海電鉄全駅にVisaのタッチ決済導入を目指していく。

泉北高速鉄道では、12月から日本初となるVisaのタッチ決済対応カード(クレジット、デビット、プリペイド)、QR乗車券(デジタルきっぷ)、交通系ICカードの3つの乗車券類に対応した一体型改札機を導入する。

3つの乗車券類に対応した一体型改札機

南海フェリーでは、「スマート好きっぷ」の利用を促進。キャッシュレス化の取組みを強化していく。

また、今後Visa以外の国際カードブランドにも対応していく予定。