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さよなら「COCOA」 最終版3.0.0で機能停止後に削除を

新型コロナ接触確認アプリ「COCOA」が終了する。11月17日から機能停止版のCOCOAアプリ「3.0.0」を配信開始し、利用者はアプリアップデート後に画面の手続きに沿って機能停止の手続きを行ない、その後にアプリをアンインストールする。

なお、3.0.0アップデートは1週間程度時間をかけながらアプリストア(App Store/Google Play)から提供される。

COCOAは、いつでもアプリの利用を中止できるが、機能停止版アプリ(3.0.0)に更新すると、アプリの操作で端末内の接触確認機能を停止できるようになる。従来バージョンで単にアプリをアンインストールした場合、接触確認のための定期的な処理が作動し続け、若干の通信やバッテリー消費などを伴う場合がある。そのため、3.0.0へのアップデートでは、簡単な操作でOSとの連携を停止する機能を追加、同機能を使った機能停止を推奨している。

iPhoneでCOCOAを利用停止した

筆者のiPhoneでは、17日12時過ぎにCOCOA 3.0.0の配信が確認されたため、アップデートを行なった。

3.0.0アップデートで機能停止を促す画面が表示される

3.0.0にアップデートすると、最初に機能停止を促す画面が表示され、画面に従って手続きを開始できる。調査への協力画面(スキップも可能)のあと、年代や通勤の有無などの簡単なアンケートに回答すると、[機能を停止する]が表示される。筆者の場合は871日間COCOAを使っていたようだが、これで機能停止となる。

利用停止の流れ
COCOA停止。871日間ありがとうございました

なお、3.0.0にアップデートする前にアンインストールした場合でも、「特別な操作は行なう必要はない」(厚生労働省)としている。ただし、使用中の端末によっては、接触通知機能が停止するまで1日程度かかる場合があるという。その場合、以下の操作を行なうことで3.0.0における機能停止と同じ設定になっているか確認できる。

  • iOS:iPhone端末の[設定]→[接触通知]→[接触通知をオフにする]を選択
  • Android:OSの設定アイコン → [Google] → [COVID-19 接触通知システム] → [接触通知システムを使用]をオフ

【更新】厚生労働省からアプリを事前にアンインストールした場合でも、「特別な操作を行なう必要はない」と訂正されたため、記事の内容を修正しました。(11月19日17時)

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機能停止後は、アンインストール

陽性登録は約2年半で369万件

COCOAは、新型コロナウイルスの感染者との濃厚接触の可能性を知らせる“接触確認”アプリとして、'20年6月からスタート。スマートフォンのBluetooth機能により、人と人との接触を検知・記録し、アプリ利用者の陽性が判明した場合、その人(陽性者)の同意のもとで、過去14日以内に接触したアプリ利用者に「接触した」という情報を通知してきた。

その後、ワクチン接種等も進んだこともあり、政府は、'22年9月に陽性者の「全数把握・全数届け出」の停止を決定。全数把握を前提としていたCOCOAの効果が限定的になるとして、サービスの終了を決めた。そのため、陽性者登録のための「処理番号」の発行も、機能停止と同時期に停止する。

COCOAにおいては、Androidアプリでの陽性者接触が“通知されない”など、いくつかの大きな不具合や運用の課題も生じたが、開始以来2年5カ月で約4,117万ダウンロード、369万件(11月11日時点)の陽性登録が行なわれた。そのCOCOAが機能停止で役割を終える。

また、大規模イベントなどでも「COCOAの利用」を推奨してきたが、アプリの機能停止に伴い、イベント参加の条件としてのCOCOA利用推奨を止めるよう呼びかけている。

次のパンデミックに備えた調査も実施

COCOAはサービス終了するが、ITツールを活用した今後の感染防止対策のあり方の参考とし、「次のパンデミックに備える(河野太郎デジタル大臣)」ため、デジタル庁ではアンケートを行なう。

アプリ3.0.0の内部にアンケートを用意しており、接触通知発生回数の調査を行なう。

送信される情報は「利用者の年代」「利用者の通勤通学の有無」「アプリ利用開始日」「接触通知発生回数(日次)」など。個人を特定できる情報は含まない。また、送信を望まない項目は回答をスキップできる。

接触通知発生回数(日次)の送信に同意すると、2022年4月7日以降に陽性登録者の接触符号を受信した日付と、各々の日付における接触判定の有無が送信される。COCOAでは14日以上前のデータはスマートフォン側で無効化していたが、今回の調査に限り、15日以上前の接触通知発生回数を有効化し、送信する。これにより、「接触通知が発生していた回数」を把握し、今後のデジタル技術を活用した感染症対策に活かすとしている。

今回の調査の主な狙いは以下の通り。

  • 新規陽性登録者数の増加に応じて、接触通知の発生回数が適切に増えたか
  • 定期的な通勤通学や、公共交通機関の利用が、接触通知の発生回数に影響したか
  • 社会全体の活動の変化に応じて、接触通知の発生回数が変化したか
  • 接触通知発生回数の送信に、どのくらいの割合の利用者が協力するか

この調査の結果については、デジタル庁が「できるだけ早期」に公表予定としている。