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JASRACがブロックチェーン活用の存在証明「KENDRIX」

日本音楽著作権協会(JASRAC)は31日、ブロックチェーン技術を活用した存在証明機能とeKYC機能を備える楽曲情報管理システム「KENDRIX」の正式サービスを開始した

KENDRIX(ケンドリックス)は、楽曲データをブロックチェーンに登録できる「存在証明」ページを作成できる楽曲権利システム。プロ・アマ問わず、誰でも利用できる。

音源ファイルをKENDRIXに登録すると、音源ファイルのハッシュ値、タイムスタンプ、ユーザー情報、タイトルとバージョンの情報(一つの楽曲情報に対し、複数の音源ファイルを登録し、バージョン管理可能)が、ブロックチェーンに登録される。

これにより、音源ファイルを誰がいつの時点で所有していたのか、という事実を証明でき、ブロックチェーンに登録された情報を表示する「存在証明ページ」を公開できる。

動画配信プラットフォームやSNSで楽曲を公開する際に、存在証明ページの公開用URLを添えることで、「存在証明」を取得している音楽クリエイターであることを公表でき、不正利用の抑止力とする。

また、オンラインでの身元確認機能(eKYC)に対応し、本人認証済みのKENDRIXユーザーが存在証明付きの楽曲情報を、KENDRIXと連携する様々なサービスに展開できるようにする。まずは、JASRACのオンライン信託契約と作品届提出('23年2月追加)に対応し、将来的にJASRAC以外のサービスに楽曲情報を提供していく。

KENDRIXは、ソニーグループR&Dセンターが開発する権利管理ブロックチェーンシステムを採用。同ブロックチェーンを活用することで、個人クリエイターや音楽関連企業・団体などが、プライバシーを保ちながらも透明性をもって収益分配できるしくみの基盤となることを目指すという。JASRACでは、ソニーグループの技術協力を得て、この構想実現に向けたコンソーシアムの立ち上げを準備している。

KENDRIX プロモーションムービー