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携帯電話番号で送金できる「ことら」スタート 手数料無料も
2022年10月11日 12:04
携帯電話番号で、銀行に送金できる「ことら送金サービス」が10月11日よりスタートした。ことらに対応した銀行間であれば、10万円以下の個人間送金が手数料無料になるケースが多く、小口の資金決済における利便性向上を狙う。
ことらは、メガバンクが中心となり設立された、小口資金決済のための決済インフラ。ことら対応銀行間であれば、個人口座間で送金手数料を少額に抑えて、小口送金(10万円以下)が可能となる。手数料はアプリ事業者が決めることになっているが、三井住友銀行やJ-Coin Pay、Wallet+では手数料無料としている。
また、預金口座番号での送金だけでなく、携帯電話番号やメールアドレス宛の送金にも対応。送金とあわせてメッセージを送ることも可能。「口座番号を教えずに送金」に対応する。
ことら送金サービスにより、家族間での送金や割り勘、プレゼントの共同購入などの少額決済時の送金手数料を抑え、個人間の送金を促進していく。
ユーザーからは直接「ことら」のサービスを意識することはなく、銀行などが展開中のアプリやサービス上で使われる送金の「インフラ」的な役割を担う。
対応するサービスは、Wallet+、こいPay(広島銀行)、J-Coin Pay、はまPay(横浜銀行)、Bank Pay、YOKA!Pay(熊本銀行)、YOKA!Pay(十八親和銀行/福岡銀行)など8サービス。送金先として、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行、りそな銀行などのメガバンクや大手地銀などに対応。メガバンクに加え、57行が参加予定。10月11日時点では、20行が参加しており、11月24日から11行、その後も順次対応銀行が増えていく予定。
ユーザーは、ことらに対応したアプリにログインし、受取口座と携帯電話番号を連携することで、対応ユーザー間での送金が可能になる。
また、従来は、J-Coin PayのユーザーであればJ-Coin Pay利用者間では送金ができたものの他の銀行やサービス利用者には送金できなかった。今後は、ことら送金対応の銀行利用者であれば、利用中のサービスに依存せずに送金が行なえるようになる。
Bank PayやWallet+、J-Coin Payらが対応
日本電子決済推進機構によるスマホ決済サービス「Bank Pay」もことら送金サービスに対応。金融機関の口座番号での指定だけでなく、携帯電話番号やメールアドレスの指定でも、一回10万円までのお金を送金できるようになる。Bank Payでは、10月11日時点ではメガバンクなど13金融機関、11月にはさらに6金融機関が参加予定。将来的にはことらインフラを活用した税公金支払機能も視野に入れている。
横浜銀行の「はまPay」などが利用する「銀行Pay」もことらに対応するほか、J-Coin Payもことら送金サービスに対応。J-Coin Payアプリでは、ことらを通じて、ことら参加金融機関の口座に送金できるほか、銀行アプリからことらを通じて、J-Coin Payで送金を受け取れるようになる。
ふくおかフィナンシャルグループのスマホアプリ「Wallet+」では。福岡銀行、熊本銀行、十八親和銀行、佐賀銀行が「ことら送金サービス」に対応し、10月11日より新機能「送る・受け取る」サービスを提供開始する。また、年度内にはWallet+に「請求機能」を追加し、「割り勘」などの際に「〇〇円送ってほしい」など伝えられるようになる。
ことらの川越洋 代表取締役は、日本においてはこれまで少額の送金のハードルが高かったことなどに言及。全銀システムでは、次のシステム更新まで時間がかかることから新たな仕組みとして「ことら」を構築したことを紹介した。
また、ことら送金は、「いつも使っているる銀行アプリから使えるようになる」という特徴に加え、「お金と一緒にメッセージを送れる」、「これまでの振込より(手数料が)お得」という点を強調し、今後金融機関での対応を強化していく。
ことらの活用により、ATMの出金を減らせることや、会食の立替や割り勘などがやりやすくなること、また「結婚祝い」のようなケースでも多くの現金を持ち運ばなくてよくなるといった事例を紹介。「いままで、銀行振り込みが使われてこなかった場面でも、銀行口座でやりとりでき、メッセージも送れる」と、新たな送金シーンが開拓できる点をアピールした。
11日から20行でスタートし、現時点で57行の対応を予定。「つながる口座数は2億1,000万口座」としている。
