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アシックス商事とNEC、歩行分析センサで健康管理を検証
2022年9月13日 15:16
アシックス商事とNECは、ウォーキングシューズ「KNEESUP(ニーズアップ)」を活用した健康管理・促進に関する実証実験を共同で実施した。
KNEESUPは、ひざ関節のバランスをとり、負担を軽減する機能構造を有したウォーキングシューズ。価格は13,200円。
特徴は、靴底のかかと部内側に熱可塑性合成樹脂プレート「MCCS」を搭載していること。MCCSは、荷重によってプレートがたわむ独自の空洞構造体で、着地時にひざ関節を外側から内側へ誘導するしくみとなっており、高いクッション性を持ちながら、進行方向へ足が自然と前にでるような快適な歩行をサポートするという。'18年9月に発売して以来、累計11万足を出荷している。
実証実験は、NECの歩行センシングインソール「A-RROWG(アローグ)」を活用し実施した。A-RROWGは、小型の歩行分析センサを搭載した専用インソールを靴に入れるだけで自然に「歩容(≒歩行の質)」を計測し、専用アプリから歩行状態のチェックや歩行改善アドバイス、トレーニングメニューの確認が可能なサービス。
今回の実証実験では、A-RROWGを搭載したKNEESUPを着用し、歩容と運動パフォーマンスの変化について検証した。期間は4月1日から5月23日までで、8名(男性4名、女性4名、平均年齢65.6歳)を対象に、計測会を実施した後、自宅で普段通りの生活を送りながら、ユーザがアプリ上で指定をした5つの時間帯のうち最大1日3回、自動計測された歩行パラメータをもとに解析を行なった。
その結果、KNEESUPの即時的な効果として、履いて歩くことによる「歩行速度」「歩幅」「つま先の向き」の数値改善が見られた。
また、KNEESUPのような機能性シューズを履いて日常生活を送っていても、運動パフォーマンスは習慣的に履く前の状態に戻る傾向があることが示唆された。
さらに、実証実験後に官能評価を実施したところ、計測された歩行パラメータとは対照的に歩行能力は向上したと自覚している人が多い傾向があった。
歩行速度や歩幅の数値は、計測当日よりも履き続けた後のほうが低下していることからは、「運動学習による改善動作の定着が不十分」だったことが推察される。長い期間を経て形成された歩行のクセを自力で修正するには、より多くの時間が必要で、シューズの機能に加え、モチベーションを保ちながら改善に向けた取り組みを継続的に行なっていくことが重要としている。