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プロ用カーボン踏台や塗膜が伸びる塗料「DIYショー2022」

千葉県の幕張メッセにて、日本DIY・ホームセンター協会が主催する展示会「JAPAN DIY HOMECENTER SHOW 2022」(DIYショー)が開催されている。期間は8月27日まで。

DIYショーは、平たく言うと、ホームセンターで売っているような商品のメーカーが一堂に会する展示会。プロ向けの専門的な商品のメーカーも多いが、DIYに便利なグッズや、最新の製品が紹介されている。

製品の分野は広く、電動を含む大工道具や工具から、木材・建材、塗料・塗装用品、補修材、電気用品、ネジなのどの金物、作業用衣類、カー用品からペット用品まであり、非常に多彩。ホームセンターに行くとワクワクしてしまうというタイプの人には要注目の展示会だ。

本稿は後編として、日常生活やDIYの便利グッズ、ユニークな製品を紹介する。

カーボン樹脂製コンパクト踏台 長谷川工業

長谷川工業

梯子・脚立メーカーの長谷川工業は、カーボン樹脂製コンパクト踏台「desta」(SCF-24)を紹介している。

高さが30cm前後の小さな踏台はさまざまな商品が販売されており、踏台にしたり椅子の代わりにしたりと、屋内外で便利に使える。その多くは天面を半分に折りたたむ仕様だが、強度や耐久性の面では、この折り曲がるヒンジ部分が弱点となり、耐荷重では80~100kgの製品が多く、また繰り返し使う中でヒンジ部分が破損するケースは多いという。

長谷川工業のdestaは、本体素材に東レのカーボン樹脂「TORAYCA」(トレカ)を採用し、強度を追求。さらに天面は一枚板で、ヒンジの破損リスクを排除している。これにより普段の耐荷重(最大使用質量)は150kgを実現。上から徐々に荷重を増やしていく破壊試験では600kgをクリアしている。

カーボン樹脂製コンパクト踏台「desta」

折りたたみ機構は天面を上げて裏返すだけのワンアクションで完結。天面は汚れる面が内側になって収納され、ほかのものと一緒に運びやすくした。カーボン樹脂を採用したことで、高強度ながら本体重量は0.9kgに抑えている。収納時は15型のノートPCとほぼ同じサイズで、厚さは4cmになる。ストラップを取り付けられるホールも設けられている。天板の高さは240mm。大きさは設置時が329×254×243mm(幅×奥行き×高さ)、収納時が329×40×243mm。価格は17,600円。

長谷川工業の担当者によれば、安価な踏台はプロのヘビーユースには耐えられず天面のヒンジから壊れてしまうケースが多いとのこと。カメラマンなど現場でハードに使う層にもdestaは好評という。

天面を持ち上げると脚部が連動してたたまれる
天面を反対側に倒すと収納状態になる
収納状態。汚れやすい面画内側に向く。ストップホールも設けられている
0.9kgと軽量で15型のノートPCサイズ

手で塗れてしっくい風にできる塗り壁材 アサヒペン

アサヒペン

アサヒペンは、自分で好みの色に調色して、手で塗れる塗り壁材「ヌリ・デコ・ウォール」を紹介している。

ヌリ・デコ・ウォールは、手で簡単に塗れて、漆喰のような見た目を手軽に作り出せる塗り壁材。臭いが少なく室内でも作業しやすいほか、シックハウス対策やホルムアルデヒド放散量にも配慮した安全性の高い水性塗料になっている。耐候性があり屋外にも使用可能で、コンクリートの上から塗ることもできる。抗菌・防カビ・防藻機能も備えた。

手袋をはめて手で簡単に塗れて、おしゃれな雰囲気を簡単に作り出せるのが特徴で、DIYで注目の製品。同社のペイントカラーを混ぜることで、簡単に好みの色も作り出せる。

メインの商品はバケツのような大型容器(5リットル)だが、ホビー用途も考慮して少量のパッケージも展開している。

ヌリ・デコ・ウォールの仕上がり。漆喰風で、手で塗ることが可能
コテ、クシなどの道具ももちろん使える
調色用のカラーも多数ラインナップ

ほかには、サビ風装飾塗料「水性ラストエイジングコート」も紹介されている。塗るだけで、いろいろな素材が錆びたように見えるもので、ホビー用途の装飾塗料。

水性アクリルウレタンエマルション樹脂塗料で、対応する素材はコンクリート、スレート・ブロック、鉄、アルミ、トタン、発泡スチロール、アクリル、硬質塩ビとなっている。

水性ラストエイジングコート
塗るだけで錆びた風合いに

軟質パーツに塗装できる“伸びる”塗料 斎藤塗料

ウレヒーロー

川路商店のブースでは、斎藤塗料が開発した家庭用塗料として、伸縮性に特化した塗料「ウレヒーロー」が紹介されている。

“次世代ウレタン塗料の勇者”という意味を込めた「ウレヒーロー」は、伸縮性と柔軟性に特化した特殊塗料。工業用で展開しているウレヒーローの仕様を一部変更し、使いやすい家庭用にしたもの。ゴム素材や皮革など、通常の塗料では塗装できないか、塗装しても乾くとひび割れてしまう素材に対し塗装できるのが最大の特徴。通常なら塗装という手段を諦めていた素材にも塗装できる。また塗膜には撥水効果もある。

伸縮率は150~最大300%で、輪ゴムのように伸びる素材にも対応する。色により伸縮率は異なり、メッキタイプは最大50%になる。

実際にゴムボールなどに塗装されたものを見ると、柔軟性は損なわれていないにもかかわらず、しっかりと塗膜ができて発色しており、成型色と錯覚するような仕上がりだった。DIYだけでなくホビーやデザイン用途でも注目の塗料だ。

軟質パーツにウレヒーローでメッキタイプの塗装。伸縮性があるためヒビ割れしない
素材の色ではなく塗装。布地として柔軟性が保たれている

対応する素材は、ゴムや塩ビ、ABS、ポリカーボネート、鉄、アルミ、ステンレス、ガラス、レザーなど。シリコンゴムは非対応。ポリプロピレンとポリエチレンは密着しないほか、ポリスチレンは素材が溶ける可能性がある。

下地処理が不要のプライマーレス。エアブラシ塗装向けとして小さい容器で販売されているが、スプレー缶バージョンも順次展開中。プリズムカラー、蛍光カラーなど新色も随時投入されている。

スプレータイプも順次展開中

極小の泡・ウルトラファインバブルのシャワーヘッド SANEI

水栓など水回りの製品を多数展開するSANEIは、水中に多数の空気の泡を含ませるマイクロバブルを出せる交換用シャワーヘッドの新製品「RAINY」(レイニー)シリーズを大々的に紹介している。

大きさが1μm未満、毛穴の約1/100~1/300という、極小のウルトラファインバブルを発生させる装置をシャワーヘッド内部に搭載。加えてシャワー板はステンレス製で穴径0.3mmを実現、この極細穴が227個という密度の高い仕様になっている。

ウルトラファインバブルは毛穴やシワの奥まできれいにするという、高い洗浄力が特徴。また細穴は水圧が低い環境でも勢いが出て、節水効果も期待できる。本体をすべてステンレス製としたモデルや、手元で水流を止める手元ストップのスイッチを備えたモデルなどバリエーションも展開している。

ウルトラファインバブル対応のシャワーヘッド
ステンレス板の採用で極細穴を実現
左が新製品、奥が一般的なシャワーヘッド。ステンレス板により、細い水流と多数の穴で密度を高めている

ブースのデモコーナーでは、黒いヘアワックスを手に広げてもすぐに落ちるなど、ウルトラファインバブルの洗浄力の高さが紹介されている。

左がウルトラファインバブルのシャワーヘッド。洗浄力が高いため、水を使う時間が短くて済むようになる