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エアコンは「室温28℃」を目安に。節電と熱中症対策を両立するには?

日本気象協会は、「熱中症ゼロへ」プロジェクトから、電力需給の厳しくなる時間帯にて、電気の使用割合が大きいエアコンの効率的な使い方と、節電をしながらも家庭でできる熱中症対策のポイントを紹介した。

資源エネルギー庁によると、電力需要は日中(13~17時)に高まる傾向にある。電力需給は太陽光発電の出力が減少する時間帯(17-20時頃)に厳しくなる傾向にあることから、政府は節電への協力を呼びかけている。

エアコンの効率的な使い方は、室内が温まって外よりも暑く感じる場合は、まず窓を開けたり換気扇を回したりすることで温まった空気を外へ逃してからエアコンをつけることを推奨。空気を出す方向(窓や扉のある方向)に向かってサーキュレーターを置くと、効率的に熱を逃せるという。

エアコンの温度設定は、温度計や熱中症計で室内環境を確認しながら、室内温度28℃を目安として設定する。設定温度を下げすぎないことも節電には大切で、夏場は設定温度を1℃上げると約13%省エネになるという。

風量は「自動」に設定すると効率的に調整される。暑く感じる場合は設定温度を下げるのではなく風量を増やすことを推奨。また、冷たい空気は重く下にたまるため、風向は天井に対して上向き(もしくは水平)に設定する。

サーキュレーターの効率的な置き方も紹介しており、エアコンとサーキュレーターを併用することで、設定温度を下げすぎなくても室内をムラなく涼しくできるという。サーキュレーターはエアコンの下に置き、上向き(エアコンと同じ風向)を推奨している。

節電しながらエアコンを使うためのポイント

節電しながらエアコンを使うポイントは、「フィルターを掃除する」「窓からの直射日光を防ぐ」「室外機の周辺に物を置かない/直射日光を避ける」「エアコンを使う部屋を決める」の4点。

フィルターはホコリがたまっていたり、内部が汚れていたりすると冷房効率が悪くなり、余分な電力を使ってしまう。1年間掃除していないフィルターでは約25%電気代がアップするという。フィルターの掃除頻度は目安として、2週間に1回で、内部の掃除も定期的にすることを推奨している。

室外機は、周辺を涼しく保つことで排熱がスムーズにでき、冷房効率が上がる。そのため、室外機周辺に物は置かずに風通しを確保し、日よけ、すだれ・よしずを使って室外機に直射日光が当たらないようにする。

熱中症対策のポイント

節電をしながらの熱中症対策のポイントは、「暑さに負けない体づくり」「冷却グッズの活用」「涼しい家づくり」の3点。

体を暑さに慣れさせる「暑熱順化」ができていると、熱中症になりにくくなるという。暑熱順化にいは無理のない範囲で汗をかくことが大切で、日常生活の中で運動や入浴をして、汗をかいて体を暑さに慣れさせることをおすすめしている。

冷却グッズは、ネッククーラーや冷却タオル、保冷剤などがあり、首の両脇は皮膚の近くに太い血管が通っているためこれらを使うと効率的に冷やせるという。

涼しい家づくりは、外からの熱を遮ることが大切。ひさしやシェード、植栽、壁面緑化をするほか、保水性の高い素材や水滴を活用したパネル・ルーバーで蒸発冷却し、エネルギーを使わずに冷却する方法(パッシブクーリング)などがある。