ニュース

土屋鞄、キノコの菌糸体由来の新素材を使ったバッグ

土屋鞄製造所は、キノコの菌糸体から生まれたレザー代替素材「Mylo(マイロ)」を採用した新素材モデルを開発。ランドセル、鞄、小物などプロトタイプ計6型を制作し、このうちコンパクト財布「Mylo ハンディLファスナー」を2022年内に発売する。

アメリカのバイオテック企業・Bolt Threads(ボルト・スレッズ)社と、国内ブランドとして初めて共同開発。土屋鞄はBolt Threads社に出資し、Myloの素材開発および製品開発を共同で行なう業務提携を結んでいる。

土屋鞄は、Myloを用いた新素材モデルの試作を2021年夏から続けており、製品化にあたって、いくつものサンプル制作や強度試験、使用試験で検証を重ねてきた。

Myloは、キノコの菌糸体(菌が構成する、根のような糸状の組織体)から生まれたレザー代替素材。「マッシュルームレザー」ブームの火付け役となり、世界で注目されているという。

菌糸体の微細な繊維で、柔らかな手触りと上質感のある風合いを実現。加工によって柔軟性を持たせることができるため、様々な製品に利用できる高い汎用性があるとしている。

菌糸体は100%再生可能なエネルギーで稼働する、最先端の垂直農法施設で生育。生育に必要なものは、水と空気とマルチング材(菌糸体の生育時に培地の表面を覆うもの)のみで、2週間足らずの短い周期で生育できるため、安定した供給が見込める。

土屋鞄製造所 社長 土屋成範氏は、「初めてMyloを手にした時、革新的な技術が生み出す素晴らしい手触りに驚き、また使い手の価値観が多様化する現代において、新たな選択肢となりうる素材だと感じました」とコメントしている。

土屋鞄製造所 Mylo ハンディLファスナー
土屋鞄製造所 スリムケース
objcts.io バックパック ミディアム

プロトタイプについては、新たな素材の選択肢を提案するため、「土屋鞄製造所(大人向け鞄)」「土屋鞄製造所(ランドセル)」「objcts.io」の3ブランドそれぞれを代表する製品にMyloを採用。東京・西新井の自社工房にて制作している。

販売するMylo ハンディLファスナーのほか、土屋鞄製造所のランドセル、スクエアバッグ、スリムケース、objcts.ioのバックパック ミディアム、ウォレットバッグを制作。6月9日から30日まで、土屋鞄・渋谷店(渋谷スクランブルスクエア11階)にて展示する。

Mylo ハンディLファスナーは、外装と内装にMyloを採用しており、Mylo比率は90%。紙幣・小銭・カードが収納可能なL字型のファスナー付きミニ財布で、サイズは88×116×22mm(縦×横×厚み)。

土屋鞄製造所 Mylo ハンディLファスナー

ランドセルは、外装の82%にMyloを採用した、土屋鞄の中で最もベーシックな形のモデル。サイズは323×260×181mm(高さ×幅×マチ)。

土屋鞄製造所 ランドセル

スクエアバッグは、外装すべてにMyloを採用したブリーフ型バッグ。サイズは縦265×390×60mm(縦×横×マチ)。

土屋鞄製造所 スクエアバッグ

スリムケースは、外装すべてにMyloを採用した、フラットな設計のスリムケース。サイズは220×310×5mm(縦×横×厚み)。

土屋鞄製造所 スリムケース

バックパック ミディアムは、外装上部と背面にMyloを採用し、高級ナイロン「デイビス」を組み合わせた軽量なバックパック。サイズは450×300×100mm(縦×横×マチ)。

objcts.io バックパック ミディアム

ウォレットバッグは、リサイクルナイロンのショルダー部分以外はすべてMyloを採用したショルダーバッグ。サイズは182×130×15mm(縦×横×厚み)、紐の長さは580mm。

objcts.io ウォレットバッグ