JR東とENEOS、水素ハイブリッド電車開発で連携

総合水素ステーションのイメージ

JR東日本とENEOSは、鉄道の脱炭素化に向けたCO2フリー水素利用拡大に関する連携協定を締結。国内初となる水素ハイブリッド電車の2030年までの社会実装を目指し、開発を連携して進める。

水素ハイブリッド電車および同車両向け定置式水素ステーションの開発で連携。水素ステーションは、水素ハイブリッド電車をはじめ、燃料電池車・FCバス・FCトラック等といった多様なFCモビリティや、駅周辺施設へCO2フリー水素を供給する、総合水素ステーションを想定している。

また両社は、首都圏を中心とする鉄道への電力供給の脱炭素化についても共同で取り組む。具体的には、京浜臨海部のENEOSの拠点から、JR東日本川崎火力発電所へCO2フリー水素を供給し、同発電所で水素混焼発電を行なうことを検討。2030年代早期における、鉄道への水素混焼発電による電力供給の実現を目指す。

JR東日本はグループ全体の長期目標として「ゼロカーボン・チャレンジ2050」を掲げており、その一環として、川崎火力発電所での水素利活用を検討するとともに、水素ハイブリッド電車「HYBARI」の実証試験を3月より開始するなど、水素社会の実現に向けた取り組みを進めている。

ENEOSは、2040年グループ長期ビジョンの1つとして「低炭素・循環型社会への貢献」を掲げ、その一環として、水素大量消費社会の到来を見据えたCO2フリー水素サプライチェーンの構築と、幅広い事業分野への水素供給拡大を推進している。

両社は、鉄道事業、エネルギー事業で培った知見を活かし、製造・輸送・利用全体にわたるCO2フリー水素サプライチェーン構築をけん引し、脱炭素社会実現への貢献を目指す。