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衛星通信でSOSやメール。ガーミンの登山・冒険端末に新型
2022年4月16日 09:00
ガーミンジャパンは、通信衛星とGPSを組み合わせ、地球上のどこでもSOSや位置情報の送信、メッセージの送受信が行なえる端末「inReach Mini2」を4月20日に発売する。価格は52,800円。カラーはフレームレッド、ブラックの2色をラインナップする。通信衛星の利用はプランの契約が必要で、自由に停止・再開できる月額プランも用意されている。
「inReach Mini2」は、地球上のどこでも、通信衛星を介したSOS発信や日本語でメッセージの送受信ができる端末。山岳ガイド、高圧線保守、探検家、未踏地などへのフィールドワークを行なう専門家といったプロフェッショナルのほか、アウトドアを楽しむ幅広い人が利用できるとする。通信は通信衛星のイリジウムを使用、測位はGPSのほかGalileo、みちびき(補完信号)をサポートしている。
前モデルの「inReach Mini」(販売終了)と比較すると、画面のUIやSOSのメッセージ送受信を含めて、日本語に対応した点が大きな進化点。また簡易的なナビゲーション機能も新たに追加された。測位衛星はGPS以外もサポートされ、バッテリー駆動時間は大幅に拡大している。
テキストメッセージは、通信衛星を介して、EメールまたはSMSの送受信が可能。Bluetoothでスマートフォンアプリと連携すれば、スマートフォンアプリでメッセージを作成したり管理したりできる。
GPSで取得した位置情報付きのメッセージを送信可能。10分間隔で位置情報を送信するトラッキングモードでは位置情報の「共有」も可能で、離れた場所にいる人がWebブラウザでリアルタイムに位置を確認できる(URLは限定公開や非公開が可能)。バッテリーは長時間稼働でき、10分間隔のGPSトラッキングで約2週間稼働できるなど、長期間の利用に対応している。
遭難などの非常時には、通信衛星を介して、GPS位置情報付きのSOS信号を送信できる。日本においても、登山で訪れる事が可能な山や登山道には、携帯電話の電波が入らない場所は存在しており、そうした場所での遭難にも対応できる。
SOS信号は民間救助組織「GEOS」の国際緊急対応連携センター(IERCC)に送信されるもので、同センターは24時間年中無休。同センターは必要に応じて、地域の警察・消防や登録された家族に連絡する。端末からのSOS信号は一方的な送信だけでなく、通信衛星を介して双方向のメッセージのやりとりが可能で、状況の確認や、警察・消防といった関連機関への救助要請を行なうかどうかなどについて、GEOSのスタッフと日本語でメッセージの送受信ができる。外国で遭難した場合でも、SOSメッセージのやりとりは日本語で行なえる。SOS信号の送信はイリジウムの通信プランの契約が必要だが、SOS関連のメッセージの追加料金は不要。
端末に地図は搭載されていないが、予めルートを作成し転送しておくことで、GPSやコンパスを利用したナビゲーション機能を利用可能。来た道を戻りスタート地点に案内するトラックバック機能も用意されている。このほか、主に海外登山やロングトレイルなどに向けて、天気情報を参照できる機能も用意されている。
本体はIPX7の防水だが、前モデル同様に100m防水の「ダイブケース」を利用可能。ダイビングなどで水中に携行できるケースで、例えば予定と違う場所に浮上した場合に、海上で端末のメッセージ機能などを利用できる。ケースの価格は10,890円。
ディスプレイは176×176ドット、モノクロの半透過メモリインピクセル(MIP)。充電端子はUSB-C。大きさは51.7×99×26.1mm、重さは100g。
イリジウムの通信プランは、テキストメッセージの送信可能件数などでセーフティ、レクリエーション、エクスペディションの3種類を用意。年間プランの場合は月額料金がセーフティで11.95ドル、レクリエーションが24.95ドル、エクスペディションが49.95ドル。停止・再開を自由にできる自由プランの月額料金は、セーフティが14.95ドル、レクリエーションが34.95ドル、エクスペディションが64.95ドル。テキストメッセージの送信件数が規定数を超えた場合は、1通につき0.5ドルかかる。
先着100名限定で、inReach Mini2のイリジウムの通信プランが1カ月間無料になるキャンペーンが実施される。