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ダイソン、空気清浄できるヘッドフォン「Dyson Zone」

ノイズキャンセリング機能付き空気清浄ヘッドフォン「Dyson Zone」

ダイソンは、同社初のウェアラブルデバイスとして、ノイズキャンセリング機能付き空気清浄ヘッドフォン「Dyson Zone」を発表した。2022年秋から一部地域で販売する予定で、現時点で日本での展開有無、時期は未定。

ハウスダスト、粒子状物質、有害なガスなどの空気中の汚染物質の除去機能に加え、高度なノイズキャンセリング機能と高品質な音響システムにより、騒音も遮断するというウェアラブルデバイス。同社が約30年に渡り培った気流抑制、空気の浄化、モーター技術の専門知識と、屋内だけでなく、屋外の空気の質に関する深い理解に基づいて設計されている。

開発には6年の期間を要し、500以上のプロトタイプが作られた

ダイソンとして、初めてオーディオ技術開発に取り組むにあたり、同社のオーディオエンジニアと音響学者のチームは、広範囲なリスニングトライアルに裏付けされたメトリクスに基づき、優れたオーディオの設計を実施。その結果、純粋で、豊かなオーディオと高度なノイズキャンセルを実現したという。

各イヤーカップ内に高性能なネオジム電気音響システムを搭載。再生周波数帯域の幅が広く、集音された音を正確に再生できるよう最適化され、ミュージシャンやクリエイターが意図したとおりの音を楽しめる。

ヘッドフォンには高度なANC(アクティブノイズキャンセリング)テクノロジーも採用。独自のマイクロフォンアレイ技術で、外部からのノイズとモーター駆動音を低減し、自宅、職場、外出先で高度なアクティブノイズキャンセリングを行なう。また大きく、耳の形に沿って角度のついたイヤークッションを、しっかりと密着させることで、高周波数ノイズの遮断も実現した。

ANCモードは豊かで没入感あるオーディオ体験を提供する「アイソレーションモード」、会話の音をより鮮明にする「会話モード」、周囲の状況を認識できる「トランスペアレンシーモード」の3種類を用意。

デザイン面では、乗馬のサドルの形状とデザインからインスピレーションを得ているのも特徴。乗馬のサドルは馬の背骨に沿って曲がり、背骨の左右の領域と密着することで負荷を分散させている。この考えを、ヘッドバンド中央のクッション部分に応用し、頭の上部ではなく、側面に重量が分散するように設計されている。

イヤークッションの素材については、ダイソンのエンジニアがさまざまな発泡材の構造を深く掘り下げ、密度、圧縮率、スプリングバック率に基づいて最適な素材を選択。クッションは音の歪みを抑え、最適なフィット感のために、従来のイヤークッションよりも意図的に平らになっており、頭から耳の形に合わせて角度がつけられている。

それぞれのイヤーカップにはコンプレッサーを搭載しており、2層フィルターを介して空気を取り込んで、左右から非接触型シールドを通して浄化された空気を、着用者の鼻と口に送り届ける。この非接触型シールドは、浄化された気流が鼻と口の近くに保たれるよう設計されており、可能な限り、顔の横から吹き込む風の影響を受けないようにしているとのこと。

開発には医療グレードの人工肺と汚染物質の吸引を検知する機能を備えた呼吸するマネキンの“フランク”が使われた

開発当初はシュノーケルのような空気を浄化するマウスピースとバックパックを組み合わせ、内部にモーターを搭載していたが、6年の開発期間を経て劇的に進化。プロトタイプ初期段階では首の後ろに配置された1つのモーターを2つのコンプレッサーに変更してイヤーカップに配置。これによりシュノーケルのようなマウスピースが非接触型シールドに進化し、顔全体に触れることなく、効率的にきれいな空気を送り届けるあたらしいメカニズムに進化した。

シールドの形状は、左右のフィルターから出る浄化された空気の流れが、着用者の顔の形に沿って中央のメッシュ部分に重なり、鼻と口に効果的に送り届けられるよう設計されている。

空気浄化モードは低、中、高、自動の4種類。自動モードは搭載された加速計によって、必要に応じて浄化速度を自動的に切り替える。なお、空気清浄、オーディオ再生、ANCの3つを同時に使用する場合は非接触型シールドの装着が必要。オーディオ再生のみの場合、非接触型シールドは着脱可能。