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下北沢の新高架下施設「ミカン下北」を見てきた
2022年3月28日 18:14
京王電鉄は、3月30日に開業する京王井の頭線 下北沢駅の新高架下施設「ミカン下北」の内覧会を実施した。飲食店や雑貨店など18店舗が出店するほか、シェアオフィスや、世田谷区との取り組みによる「図書館カウンター」を整備し、「ようこそ。遊ぶと働くの未完地帯へ。」をコンセプトとした施設として展開する。
場所は、京王井の頭線 下北沢駅の渋谷方面の高架下。下北沢南口商店街側で、本多劇場とも隣接する。A~E街区の5つの街区で構成され、このうちB街区は夏開業予定。
開発ビジョンでは、安く建てて高く貸す形で目先の利益を追うのではなく、街のバリューを上げることを重視し、街歩きが楽しい下北沢の魅力を活かした空間創出に取り組んでいる。また既存の商店街との共存共栄も重視している。
テナントは、商業施設への出店が稀有な飲食店や下北沢ゆかりの店舗などが出店。各種飲食店のほか、「TSUTAYA BOOKSTORE」、古着・雑貨店「東洋百貨店 別館」、メガネ店「Zoff」、美容室、クリエイティブスタジオなどを展開する。なおC街区は駐輪場で、2019年3月に開業した。
コンセプトにある「遊ぶと働く」の「働く」については、「遊ぶ」の要素が強かった下北沢に不足していた要素とする。TSUTAYA BOOKSTOREを、シェアラウンジや地域コミュニティとの共生に向けたイベント実施などを通じて、「遊ぶと働く」が混ざるというミカン下北のコンセプトを体現するキーテナントに位置づける。
A街区4階から5階およびB街区3階から5階では、ヒトカラメディアが運営するワークプレイス「SYCL by KEIO」を展開。コワーキングスペース、シェアオフィス、スモールオフィスにて、「プレイヤー同士のつながりやコトの創出を支援し、魅力的なプレイヤーを集めるハブとなるワークプレイス」を目指す。B街区のスモールオフィスは夏開業予定。
ミカン下北の開発にあたっては、世田谷区とも協力。下北沢駅前広場と茶沢通りを結び、ミカン下北を通る歩行者主体のアクセス道路を世田谷区が整備している。下北沢駅周辺の防災機能の強化、歩行者等の回遊性の向上に繋げる狙い。
そのほか、二子玉川、三軒茶屋に続く3つ目の図書館カウンターを開設。予約資料の貸出、資料の返却、予約の受付などを取り扱う。商業地には大きなスペースを要する図書館を作りづらいことから開設しているもので、先行する2カ所での利用者数は多いという。
ミカン下北開業に合わせ、京王線 下北沢駅構内で装飾によるPRを行なうほか、京王井の頭線にてミカンラッピング車両を運行する。
ミカン下北の名称には、「多様な文化が交差し、絶えず自由に編集され、変わり続ける、つまり“常に未完である”ことに下北沢の普遍的な魅力を見出し、未完ゆえに生まれる新たな実験や挑戦を促す想い」が込められている。