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オートロックでも玄関前に置き配 ヤマトの解錠システムに各社参加

ヤマト運輸は、マンション入口のオートロックを配達員がデジタルキーで解錠できるシステム「マルチデジタルキープラットフォーム」を開発、サービスを開始した。

このシステムでは、ユーザーが解錠を事前承認した荷物の配達について、配達員がワンタイムで発行されるデジタルキーを使用してマンションエントランスのオートロックを解錠できる。不在時や、マンションが設置している宅配ボックスに空きがあるかどうかに関係なく、オートロックのマンションでも玄関ドア前などに「置き配」が可能になる。EC専用のヤマトの配送商品「EASY」が対象で、配送パートナーである「EAZY CREW」が配達する荷物が対象になる。2021年度から都内で実験が行なわれており、正式なサービス開始となった。

オートロックを解錠するデジタルキーは、配達員が専用のスマートフォンアプリを使用。デジタルキーは荷物のバーコードをスキャンし配送先やドライバー情報、配送ステータスなどと照合した上でワンタイムパスワードとして生成され、1回の配達で一度しか解錠できないなど、セキュリティにも配慮した仕組みとしている。

配達員側の解錠操作イメージ

ユーザー側では、ヤマトのEC専用商品である「EASY」での配送に対応したECサイトで商品を注文し、ヤマトからEメールやLINEで「お届け予定通知」を受け取った際に、置き配に関してオートロックの解除に同意しておく(ECサイト注文時の置き配指定とは別)。置き配が完了すると、荷物と置いた場所の写真が配信される。

ヤマトはマンション向けのデジタルキーを開発する6社と連携契約も締結、一部は3月28日からサービスを開始している。デジタルキーの提供企業は、ライナフ、ビットキー、MIWA Akerun Technologies、PacPort、Connected Design、ファミリーネット・ジャパン。ビットキーはパナソニックの、PacPortはアイホンのインターホンデバイスと連動する。

ヤマトが今回開発した「マルチデジタルキープラットフォーム」は、複数の異なるデジタルキーを1つのシステム上で管理でき、配達員はひとつのアプリだけでさまざまな種類のデジタルキーのマンションに対応できる。デジタルキーの会社はAPI連携するだけで本システムに対応できるという。

今後もデジタルキーを活用し、自動車のトランクへの置き配など新たな受け取り方法の検討を進めていく。またマルチデジタルキープラットフォームはオートロック付きマンションに限らず、ほかの業界にも将来的に展開し、利便性向上を検討していくとしている。