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大人だけどキッザニア体験。運転士にも医者にもなれる

3~15歳の子供向け職業体験施設「キッザニア」が、日本上陸15周年を記念して、16~30歳限定で同施設を体験できるイベント「Back to KidZania ~30歳以下限定!~」を開催しました。イベント当日の様子をレポートしたいと思います。

キッザニアは東京・豊洲と兵庫・甲子園にあり、今回参加したキッザニア東京に出展しているパビリオン(企業)は約60社。ANA、三井住友銀行、ヤクルト、ALSOK、ヤマト運輸、大日本印刷、東京メトロなどが出展しています。

普段子供が職業体験をしているとき、付添いの大人はパビリオンの外から様子を見ることしかできません。なので大人自らが体験できるのは、なかなかない機会なのです。

2018年に、16歳以上の方が参加できる「大人のキッザニア」を開催した際には、チケットが2時間半で完売。今回も多くの申し込みがあり、コロナ禍で人数制限をしていましたが会場はとても盛り上がっていました。

参加者は16~30歳限定。参加費は1人5,500円
普段、付添いの大人はパビリオン外から様子を見ることしかできませんが、今回は自ら体験できます

消火活動や手術体験。東京メトロの運転士にもなれる

パビリオンを巡っていると、防火服を着た参加者を乗せた消防車が目の前を通過。キッザニア内で火事が起きたという設定で、建物に向けて消火活動をしていました。本物の水を使って放水しているので、かなり臨場感があります。

飲食系のパビリオンでは実際に調理して食べるアクティビティが多いのですが、面白かったのはニチレイの冷凍食品作り。食品開発者として食材を選び、「スノードライ」を使って一瞬で凍らせて冷凍食品を完成させます。最後は解凍して自分で食べられ、普段食べている冷凍食品がどうやってできるかを学べるようになっていました。

各パビリオンの体験内容と受付状況は、会場内のモニターもしくはスマホアプリで確認可能。イベントは17時から21時まで開催しており、時間内で好きなだけアクティビティに参加できます。

会場内に消防車が現れて消火活動が始まりました
本物の水を使って放水
ニチレイの冷凍食品作り。「スノードライ」を使って食材を一瞬で凍らせます
ピザーラでは自分で作ったピザを食べられます
ヤマト運輸では配送体験ができます
ANAのパイロット体験
各パビリオンの体験内容と受付状況は、会場内のモニターもしくはスマホアプリで確認可能

個人的にテンションが上がったのはヤクルトのパビリオン。菌研究者として、本格的な研究機材を使って顕微鏡で菌を観察します。東京ヤクルトスワローズファンの筆者としては、ヤクルトの職業体験ができるのはとても貴重な機会でした。

また医師として手術体験ができる病院のパビリオンでは、白内障や胸腔鏡下手術が行なえます。筆者は腹腔鏡手術を受けたことがあるのですが、患者だと全身麻酔をしていて手術室の様子を見れなかったので、キッザニアでどんな風に手術をしているのか知れたのは面白かったです。

東京メトロのパビリオンでは運転士のほか車両整備員、軌道作業員の3つの仕事体験ができます。運転士体験は、東京メトロ有楽町線の新木場駅から、キッザニア東京がある豊洲駅まで運転するという設定。キッザニア甲子園の場合は、阪神電車を運転できるようです。

ヤクルトのパビリオンにテンションが上がりました
菌を観察します
医者として手術体験。胸腔鏡下手術が行なえます
東京メトロの地下鉄パビリオン
運転士体験では、東京メトロ有楽町線の新木場駅から、キッザニア東京がある豊洲駅まで運転
車両整備員、軌道作業員の体験もできます

キッザニア内通貨「キッゾ」で学ぶマネーリテラシー

こどもを対象とした通常のキッザニアでは、アクティビティに参加すると、キッザニア内で使える通貨「キッゾ」がもらえます。1つのアクティビティにつき5~8キッゾもらえますが、アクティビティによってはキッゾを支払わないと体験できないものも。ソフトクリーム作りができるアクティビティは10キッゾ必要で、「お金を稼いで貯める」といったことも学べます。

三井住友銀行のパビリオンでは、窓口業務を体験できるほか、キッゾを預けるために口座開設も可能。キャッシュカードが発行され、実際にキッザニア専用ATMでキッゾを預けられます。口座にキッゾを預けると年に2回、5%の利息がつくためマネーリテラシーを身につけられるようです。現実社会でも5%の利息がつくと良いのですが……。

三井住友銀行のパビリオン
キッゾを預けるための口座開設ができます
ATMでもキッゾを預けられます
キッゾを預けると年に2回、5%の利息がつきます
キッゾを支払わないと体験できない職業も

今回は配布していませんでしたが、通常だと口座開設時にキッザニア専用のお財布がもらえます。ですが参加者の中には、子供のときにもらったキッザニアのお財布を持ってきている人もいました。

30歳以下限定のイベントでしたが、学生の参加者が多く、申込時のアンケートでは「子供の時にキッザニアに来たことがある」と回答した人が多かったようです。

キッザニアで体験した職業になるために勉強する学生も

イベントでは今の子供たちへメッセージを書いてもらうコーナーもあり、キッザニアのコンセプトである“エデュテイメント”や“こども達の「生きる力」を育むこと”を次世代に引き継いでいくことが、今回のイベントの狙いとなっています。

子供たちへのメッセージや、参加者自身が子供だったときのキッザニアのエピソードでは、「キッザニアは自分の“好き”を見つける場所」、「キッザニアで体験した職業に興味を持ち、それを目指して今大学で勉強しています」といったものが寄せられていました。

筆者は今回が初めてのキッザニアでしたが、大人になってから他業種を疑似体験できるのはとても面白いと感じました。

今回はキッザニア東京15周年のイベントでしたが、2024年にはキッザニア甲子園が15周年を迎えるようです。今後もこうしたイベントが、第3弾、第4弾と続いていくことに期待したいです。

今の子供たちへメッセージを書いてもらうコーナーも
メッセージは今後、館内やウェブで掲出予定