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住信SBI銀、広告での個人情報利用で「データ配当金」

住信SBIネット銀行は、金融庁からの認可を前提に、「データ配当金」の実現を目指した新規事業「ID広告エコシステム事業」(ビジネスモデル特許出願申請済)を年内に開始する。

個々の生活者に対し、広告での個人情報の利用同意に基づくIDベースでの広告配信を行ない、広告主から得られた事業収益の一部を生活者に「データ配当金」として還元する。

これにより生活者に対しては、データ配当金の享受に加え、より快適な広告体験を実現し、広告主には、広告効率アップ、ブランドイメージ向上、各種メディアには、広告単位収益アップ、媒体価値向上、データパートナーには、データ資産の収益性アップの実現を創出することを目指す。

新事業立ち上げのパートナーとしては、デジタルホールディングス、データスフィア、東芝データの3社と協業する。

新事業は、「銀行の顧客IDをはじめ様々な産業の事業者側の顧客IDとのデータ連携」「NEOBANK事業の活用」「生活者へのデータ利用における便益還元」を組み合わせたビジネスモデル。2022年4月施行予定の改正個人情報保護法、および欧州連合(EU)で2018年から適用開始されている「EU一般データ保護規則(GDPR)」の思想を踏まえ、「個人データは個人のものである」という信念に基づき、「ID広告エコシステム事業」を立ち上げるという。

また、2023年末までに想定されるGoogleのChromeブラウザ環境内での3rd party cookie廃止、GAFAMを中心にした大手プラットフォーマー側のプライバシー規制など、生活者のプライバシーに対する対策が具体化する一方、インターネット広告の現状の課題として、広告主側視点では非効率な広告、プライバシーに関連したブランドイメージの棄損、生活者視点からは不快な追跡広告などがあるとしている。同社はこうした現状課題を解決することで広告ビジネスそのものの最適化を目指す。

今後は、各種実証実験を通じて、パートナー企業との知見を蓄積。ビジネス面・技術面の課題解決策、新たな価値の提供、社会課題の解決などを実現できる事業へと進化させるとともに、今回のパートナーを中核としてNEOBANK提携先などにもパートナーを拡大していく方針。

「データ配当金(Data Dividend)」とは、生活者の個人データの利活用で得られた利益のうちから、その一部を生活者に還元するもの。カリフォルニア州知事ギャビン・ニューサム氏が提唱したもので、生活者の個人データ利活用にはデータ配当金を義務付けるべきとし、より公正・公平なデータエコノミー実現を目指している。