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メルカリ、PCは「第2の玄関」 上期は売上増も営業赤字

メルカリは3日、2022年度第2四半期連結決算を発表した。売上高は375億円(前年比44%増)、営業損益はマイナス26億円となった。連結では営業赤字となっているが、「将来利益の最大化にむけて成長を重視した投資を行なった結果」とし、下期も継続して投資していく。

緊急事態解除でブレーキ。PCが第2の玄関

日本のメルカリ(メルカリJP)は、新規ユーザー獲得と既存ユーザー活性化に向けたCRM施策などによりユーザー基盤が拡大し、第2四半期のGMV(総流通額)は過去最高の2,268億円(前年比15%)。第2四半期の月間アクティブユーザー(MAU)は2,045万人。

ただし、10月に緊急事態が解除されてから、出品数の鈍化や購入頻度が減少。想定比ではGMV成長率は低くとどまったとする。メルカリJPの売上高は218億円(前年比15%増)、調整後営業利益は56億円。

現在メルカリJPで強化しているのは「パーソナライゼーション」。ホーム画面上などで一人ひとりにあわせて最適な商品を提案するリアルタイムのパーソナライズを展開し、順次強化している。これにより、ホーム画面のおすすめ商品からの購入比率が継続的に向上しているという。

また、メルカリの利用者層が中高年まで幅広くなってきたことから、Web(PC)対応を強化する。従来モバイルアプリ最優先で開発してきたメルカリだが、ユーザーの多様化を受けて、順次Web版の機能改善を行なっている。

具体的には、キーワードのサジェストやおすすめ順の表示などの検索改善や、クーポン対応など決済手段の多様化、ホーム画面などのパーソナライズなどを実施。新規ユーザーのWeb流入比率が向上しており、GMVに占めるWeb比率は8%となった(前年は3%)。PC(Web)をアプリに続く「第2の玄関」と位置づけて強化していく。

なお、メルカリでは年末にかけて、不正メールやフィッシングサイトなどによる不正利用が発生。ユーザー向けにも注意喚起や、加盟店の利用制限などを行なっているほか、フィッシングサイトのテイクダウン(閉鎖)などの取り組みを実施。「被害の拡大防止を最優先とし、必要な追加対応をしていく」としている。発生規模や不正利用の手法などについては、「対応途中なので、セキュリティの観点から攻撃者に情報をあたえることになるので公表は控える」と述べるに留まっている。

メルカリJPの新事業としては、NFTに参入。パシフィックリーグマーケティングと共同で動画コンテンツを購入できる「パ・リーグExciting Moments」を提供開始し、今後ブロックチェーンを活用したコンテンツ管理や再販機能も提供していく。

メルペイ/メルカリUSも堅調

個人だけでなく法人も出店できる「メルカリShops」については、好調に進捗しており、機能改善だけでなくマーケティングも強化している。特に地方自治体等と連携による地方創生などの取り組みに力を入れていく。

メルカリ上で、メルカリの出品製品と同様に購入できるのが特徴だが、2022年度中にはアプリ外の独立したWebサイトでのネットショップ開設にも対応予定。SNS等からの流入も期待できるようになるという。なお、現時点ではメルカリ内でのメルカリShops比率などは非公開としている

メルペイは利用者数は、1,214万人に拡大。力を入れている「定額払い」の債権残高が350億円を突破するなど順調に成長。独自の与信を活用して成長を目指す。

メルカリUSもMAUが増加し、GMV成長率は前年比17%増。MAUは512万人、MMVは3億800万ドル。米国ではホリデーシーズン(年末商戦)のセカンドハンズ需要が拡大していることが奏功したという。また、後払いサービスなども伸長している。