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「ワクチン接種証明書アプリ」初披露。政府公式の証明がスマホに

新型コロナワクチン証明書アプリで国内用のコードを表示

12月20日から提供開始されるデジタル版ワクチン証明書アプリについて、政府は13日に報道向け説明会を実施した。手持ちのスマートフォンでアプリを用いることで、接種証明書の申請、発行、提示、読み取り(認証)ができるようになる。海外渡航時のワクチン接種証明書として利用できるほか、国内においても接種証明書として機能する。

アプリの名称は、「新型コロナワクチン証明書アプリ(英語名:COVID-19 Vaccination Certificate Application)」で、ホーム画面での短縮名は「接種証明書(Vaccine Cert)」。iOS 13.7以降、Android 8.0以降に対応する。発行にはマイナンバーカードとマイナンバーカードの券面事項入力補助用暗証番号(4桁)、パスポート(海外用のみ)が必要。国内だけで利用する場合は、マイナンバーカードとパスワードだけで発行できる。

接種証明書アプリでは、ワクチンのメーカーや接種回数、接種日時、名前、生年月日などが確認できるほか、固有のQRコードを発行できる。このコードを示すことで、自身がワクチン接種したことの「証明書」となる。

接種証明書(電子版)は、日本国内用と海外用が用意される。アプリ上で国内用と海外用を選択し、マイナンバーカードをかざして暗証番号を入れると、氏名や生年月日等の情報が自動で取得される。海外用の場合は、パスポートの券面情報をカメラで撮影して取得する。

国内用と海外用の2種類が用意される
海外用ではパスポートを撮影する

その後、住所のある市区町村(接種券が送られてきた自治体)を選ぶと、「ワクチン接種記録システム(VRS)」から接種情報が自動取得され、「発行する」をタップするとQRコードが発行される。タップしたあとは20~30秒程度でQRコードの発行が完了する。

24時間365時間いつでも申請ができ、3分程度で接種証明書の発行を完了できるという。

接種証明書アプリによるコード取得と利用イメージ

発行されるコードは、利用者ごとに固有のものとなる。国内用のコードは「要望が多かった」ため初期状態ではコードと氏名、生年月日などが非表示となり、アプリ画面をタップすることで名前等が確認できるようになる。

国内用は初期状態ではコードや名前を非表示に

海外用ではパスポートなどと氏名を照合することも多いため、画面を開くとすぐにコードと接種日時、氏名、国籍、旅券番号等が表示される。また、海外用は漢字とローマ字氏名が記載できるSmart Health Card規格のコードと、ローマ字のみのICAO規格対応コードの2種類が用意される。ICAO規格では、旅券番号や国籍・地域などもコードに含んでおり、渡航先などの対応により選択する形となる。

Smart Health Card対応のコード
ICAO対応のコード

なお、デジタル版ワクチン接種証明書の海外利用については、米国や欧州の主要国、オーストラリア、韓国、シンガポール、香港など76カ国・地域で対応している(12月13日時点)。

これまで国内における接種証明書は、ワクチン接種時の「接種券」が用いられており、7月からは海外渡航用に「紙」の証明書を発行していた。これらの証明書は引き続き利用できる。また、デジタル化以降は、紙のワクチン接種証明書に日本国内用も追加され、各市町村で発行する形となる。

オンライン本人確認のためマイナンバーカードは必須

発行にはマイナンバーカードが必須。マイナンバーカードのパスワード入力を3回間違えると、再設定のために役所等に行かなければならないので注意が必要だ。

パスワードの間違いは3回まで。要注意

マイナンバーカードが必須となる理由は、「行政機関の保有する個人情報を扱うため、オンラインでの本人確認が保証されなければならない。現在マイナンバーカード以外の適切な手段はなく、オンラインでやるためには技術的に妥当と考えた」(デジタル庁)と説明している。

なお、スマートフォンの操作に不慣れな人のために、デジタル庁のホームページで取得方法や操作方法の周知を行なう。また、書面での接種証明書発行も市町村等の窓口で行なうことで、マイナンバーカードを持っていない人に対応していく。12月5日時点でのマイナンバーカード発行数は累計5,071万枚。交付率は約40%。

接種証明はワクチン接種記録システム(VRS)のデータに基づいている。しかし、VRSの登録データに一定の割合で誤りが確認されているという。

12月3日時点で、自動的に要修正となったものは、約1億件のうちの0.16%。ロット番号の前に「[No]などの文字が入っている」などのミスがあるという。加えて、要確認とされるのが5%弱の約500万件で、このうち実際に修正が必要なのは1/4程度、全体の1%程度にミスがあると推測されるという。

要確認のデータでは、「接種日が近すぎる」「モデルナの接種開始日前にモデルナと登録されている」など、データ上誤りと思われるものが抽出されている。そのため、自治体に修正を依頼し、3回目接種に備えている。誤りに気づいた場合は自治体に連絡する。なお、3回目接種後はコードの再発行が必要となる。

アプリの開発・運用はVRSと同じミラボに委託。VRSの改修と機能追加で費用は約1.1億円。アプリの公開は20日を予定しているが、時間は未定。また、一部の自治体においては、議会の承認等が必要で、20日のスタートに間に合わない可能性があるという。

なお、民間や東京都などでも独自のワクチン接種証明を展開している事例が多数ある。この件については、「我々は関与する立場にないが、一般論として、接種証明の機能を持つものが乱立すると困るだろう。国の感染症法に基づく正式な証明書として、皆さんにできるだけ使ってほしいとお願いしていく」(デジタル庁)とした。