ニュース

LayerXインボイス→「バクラク」に “仕事だから”の諦めをなくす

LayerXは、「LayerX インボイス」などのサービス名称を「バクラク」シリーズに変更する。クラウド請求書受領ソフト「LayerXインボイス」は「バクラク請求書」となる。「LayerXワークフロー」は「バクラク申請」に、「LayerX電子帳簿保存」は「バクラク電子帳簿保存」に改められる。

LayerXインボイスは、請求書受取業務の効率化による経理DXを推進するサービス。請求書の受取り後、OCRで請求書を自動でデータ化し、仕訳データや振込データを自動作成。会計システム連携をシームレスに実行する。1月に提供開始以降、ワークフロー機能の追加や改正電子帳簿保存法対応などを図り、数百社に導入されている。

リリース当初は「東京のIT企業」中心に採用され、高く評価されてきたが、東京以外の企業も増え、経理のDXが比較的進んでいるIT系“以外”での採用事例も増えてきた。また、「インボイス制度」のためのサービスという誤認を招くこともあったという。今回、サービス価値を直感的に伝えるため「バクラク」にブランド変更する。なお、LayerXインボイス等からの機能面の変更はない。

バクラクの名称は、「欲しい機能が爆速で追加される」「OCRが早い」「バックオフィス業務が圧倒的にラクに」といったユーザーの意見などを参考にしながら決定。バクラクにちなみ、働くワクワクを連想できるようブランドロゴも策定し、キャッチコピーも「ハタラクをバクラクに」とした。

仕事にメルカリ的ワクワクを。イケてるツールは会社選びでも重要

バクラクは、LayerXのSaaS事業の中核となるプロダクト。LayerXインボイスとしてサービス開始以来好調で、導入社数は直近9カ月で2,000%の成長となっており、会社吸収による1件以外は「解約ゼロ」(LayerX 福島良典CEO)と、高い継続率となっている。取り扱われた請求書の総額も約1,700億円と大きくなり、手応えを感じているという。

一方で、LayerXという社名を冠したプロダクト名には、「東京のIT系以外」への認知の面で課題があり、また提供価値も表せていないと考えていたという。そこでバクラクへのサービス名称変更を決定するとともに、マス広告や地方支社展開などで、地方を含めて多くの中小企業などへの導入を目指す。バクラクシリーズの導入目標は、1年後に3,000社超。

福島CEOは、リブランディングの狙いについて、「仕事で触るサービスにもワクワクを」というキーワードで説明した。

「ビジネス向けのサービスは使いにくい」という認識の人が多く、また実際に使いにくいサービスが多い。一方で、プライベートで使うサービスは、ユーザー数が多く、常に改善を続けているため、「なめらかで、使いやすく、ワクワクするようなものが多い」とする。

例えば、メルカリでは、写真を撮影するだけで、価格やキャプションがオススメされて確認して出品。売れたらメルペイに自動でチャージされる。

一方、請求書業務の場合、「紙をスキャン・アップロード」「データは手で打ち出し。仕訳、支払管理は手入力」「支払いは都度手動で」といったように手間がかかってしまう。

利用するのは同じ人なのに、「プライベート」と「仕事」でサービス体験に大きなギャップがある。LayerXではここを大きな課題と捉える。仕事の時間も「使いやすい、なめらか、ワクワク」体験を当たり前にするを使命とし、「『仕事だからしようがない』という諦めをなくしたい」という。

また、使用ツールも「会社選び」の一つの条件となっており、Slackが使えない、Gmailが使えないといったことは、入社をためらうきっかけになっている。

福島氏が嬉しかったことして挙げるのが、「LayerXインボイス」が求人の使用環境として案内されるようになったこと。

「例えばエンジニアであれば求人に開発環境・使用言語があるのは当たり前。『イケてる開発環境』でなければ人は集まらない。求人にSaaS環境が当たり前に書かれるようにし、『バクラクをいれてない会社で働くなんてありえない』をつくりたい」と語る。

そのため、なめらかで使いやすいサービスに徹底的にこだわり、バクラクの開発をすすめる。今後のロードマップとして、請求書受取からはじまり、ファイナンスや法人カード、企業間決済ネットワークなどBtoB取引市場全体にサービスを拡大していく方針。パートナーとの協業も含めて、各領域の体験にこだわり、使いやすいプロダクト創出を図っていく。