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山手線がワンマン運転に。ドライバレスも視野にJR東がシステム変革

JR東日本は、山手線、京浜東北・根岸線などの首都圏主要線区におけるワンマン運転導入に向けた準備を進める。将来的にはドライバレス運転の実現を目指す。

最新技術を活用した、乗客視点の輸送サービス、SDGsを意識した鉄道運営、社員の働き方改革のための首都圏の輸送システムの変革に向けた取り組みの一環。ATACS(無線式列車制御システム)を導入し、ATO(自動列車運転装置)の高性能化により、輸送安定性の向上および乗客の需要やニーズに応じた柔軟な運行を目指す。

ワンマン運転の対象線区は、山手線、京浜東北・根岸線、南武線、横浜線、常磐線(各駅停車)など。ワンマン運転に必要な車両改造工事や駅設備工事を進め、2025年から2030年頃の導入を目指す。

導入を進めるATACSとは、列車位置検知を軌道回路によらずに、走行する列車自らが前方に在線する列車の位置を検知し、無線を使って車上・地上間で双方向に情報通信を行なうことにより列車を制御するシステム。

従来の列車制御システムは、閉そく区間ごとに信号の現示に基づき列車の速度を制御して、列車の衝突を防止している。この場合、軌道回路(レールに電流を流して列車が在線する位置を検知)をベースに多くの現場設備が必要となる。なお軌道回路は約150年前に発明されたもの。

これに対してATACSでは、デジタル無線とコンピュータにより列車の衝突を防止する。地上設備をスリム化できるとともに、信頼性が高くリアルタイムな通信が可能な点をメリットに挙げる。また、信頼性が高い無線を活用し、運転士に代わり列車の加速・減速、定位置停止制御などを行なう装置であるATO高性能化を実現する。

従来のシステムとATACS の比較

ATOを高性能化し、列車ダイヤの管理や旅客案内などを行なうシステムであるATOS(東京圏輸送管理システム)との連携により遅延回復や列車群制御による省エネ運転など、線区トータルでの効率的な運転を実現する。さらに、一部のモノレールで導入されている添乗員付き自動運転の実現を目指した開発を進める。

ATO高性能化のイメージ
今後のスケジュール
目指す姿

ATACS導入・ATO高性能化は2028年から2031年頃の使用開始を目指す。対象線区は山手線、京浜東北線(大宮~東神奈川)。