東海道新幹線の座席濡れをサーモグラフィカメラで検知。JR東海

JR東海と新幹線メンテナンス東海は、東海道新幹線の東京駅での折り返し運転時の車内点検・整備に関して、サーモグラフィカメラを活用した「座席濡れ検知装置」を開発し、12月より使用を開始する。

東海道新幹線では、折り返し運転時の車内点検の中で座席の濡れの有無の確認を行なっているが、従来は整備スタッフが「濡れ検知機能付ホウキ」を使用し、1編成あたり約1,300席の全座席を1席ずつ確認していた。この方法では中腰での連続した作業となり、整備スタッフの身体的負担になっていた。

従来の座席濡れ確認

新たに導入するサーモグラフィカメラを活用した「座席濡れ検知装置」では、立ち姿勢で装置を座席方向に向けるだけで座席の濡れが検出され、装置の画面と音声により整備スタッフへ通知される。

技術開発においては、機械学習技術を活用した画像分析により、ひじ掛け位置をもとに、座席・座面を自動的に認識する機能を開発。また、赤外線画像から座面部分の温度を取得し、濡れ箇所を自動的に判定・表示する機能を開発した。整備スタッフの身長差や撮影角度のずれ、車内の明るさの違い等の影響を受けることなく、正確に検知エリアを認識し、座席の濡れを検出できる。

導入スケジュールは、11月に全スタッフの教育を完了し、12月に全面使用開始。導入コストは約5,200万円。