オカムラ、3Dプリンターでオフィス家具を製作

オカムラは、3Dプリンターとバイオマスプラスチック素材で製作するオフィス家具のプロジェクト「Up-Ring」(アップリング)を発表、チェアやテーブルのデザインを開発したと発表した。

このプロジェクトは、環境負荷の少ないバイオマスプラスチック素材を使用して、3Dプリンターでオフィス家具を製作するという取り組み。慶應義塾大学SFC研究所ソーシャル・ファブリケーション・ラボとのコラボレーションによるプロジェクトで、後にリサイクルしやすいよう、材料の単一化(モノマテリアル化)も進めるという、ラボが提唱するコンセプトも取り入れている。

素材や技術の利点を最大限生かすことが考えられており、例えば3Dプリンターによる生産は金型が不要で、生産準備段階での費用を削減できる。製造時の無駄な材料消費、騒音、消費電力を抑え、1台でも生産が可能。また、納品地に近い場所まで素材を運び、近くに3Dプリンターを設置して生産することも可能で、既存のオフィス家具と比較して保管・搬送にまつわる環境負荷やコストを削減することも可能としている。

素材はサトウキビから作られるバイオポリエチレン。石油化学系ポリエチレンと比較してCO2発生量を70%も削減できる。強度・耐久性などの基本性能は確認されており、実用性を確保。単一材料(モノマテリアル)で作られるため、粉砕した後は再び3Dプリンターで成形できる。

チェアの形状は、バランスボールのように人が重心を移動させると姿勢を変えることができ、なおかつ背中や膝の安定性も確保できるという、新たな形状が開発された。3Dプリンターにより一体成形で製造される。

オカムラは地球環境に配慮したさまざまな取り組みを推進しており、今回のプロジェクトも製品化に向けて検討を進めていくとしている。