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“映え”から“エモ”へ フィルムカメラの手触りを再現するチェキ
2021年11月17日 16:47
富士フイルムは、アナログな操作感にもこだわったインスタントカメラの上位モデル「instax mini Evo」(インスタックス ミニ エヴォ)を12月3日に発売する。販売予想価格は25,800円。同日にはフレームカラーがストーングレーになったミニフィルムも発売する。
フィルムカメラのようなクラシックで高級感のあるデザインのインスタントカメラ上位モデル。レンズ部分にあるリングでレンズエフェクトを、本体にあるダイヤルでフィルムエフェクトをそれぞれ選択でき、撮影後はフィルム巻き上げレバーのようなレバーを引くことで選んだ写真をプリントできる。
画作りに直接関わるエフェクトの選択を、リングやダイヤルといったアナログな操作で行なうことで、自分の手で自分だけの作品を作り上げる楽しみを実現したとしている。
エフェクトは、レンズエフェクトなら光漏れや色ずれなど10種類、フィルムエフェクトはセピアやビビッドなど10種類を用意。組み合わせることで合計100種類のエフェクトを利用できる。若年層での写真のトレンドは“映える”から“エモい”に移っているとし、さまざまな“エモい”仕上がりになるエフェクトを搭載した。
チェキはフィルムに合わせて縦位置で使うのが基本だが、mini Evoでは横位置用のシャッターボタンも備えた。スマホ用プリンター「instax Link WIDE」に搭載している、フィルムへの露出密度を2倍に高めた高画質モードで印刷も可能。
さらに専用のスマートフォンアプリと連携でき、スマートフォンで撮った写真をmini Evoのミニフィルムでプリントできる。
仕様など
レンズの焦点距離は35mm判換算で28mm。絞りはF2.0、最短撮影距離は10cm。フラッシュを内蔵。シンクロ接点はないものの、軍艦部(横位置における上面)にアクセサリーシューも備えている。
背面モニターは3型、約46万ピクセルの液晶で、印刷したミニフィルムとほぼ同じ大きさになっている。
記録メディアは内蔵メモリー、またはmicroSDHCカード。内蔵メモリーには約45枚を保存できる。microSDHCカードでは、1GBあたり約850枚を保存できる。
使用するフィルム(別売)は「instax mini」(miniフォーマット フィルム)。1パック10枚入り。プリント出力時間は約16秒。
電源は内蔵のリチウムイオン充電池で、microUSBで充電する。充電時間は約2~3時間。フル充電からプリントできる枚数は約100枚。
本体サイズは87×122.9×36mmで、重さは約285g。
カメラの事業部と統合で実現、フィルムカメラのようなチェキ
富士フイルムはイメージング分野の事業を再編しており、プロフェッショナル向けに高性能なデジタルカメラや放送用レンズ、プロジェクターなどを展開する「光学・電子映像事業部」と、コンシューマ向けにフィルムやプリント関連製品、チェキ(instax)を展開する「イメージング事業部」などを統合。開発関連の事業部も合わせて統合することで、チェキにデジタルカメラのメカや色再現、光学技術を投入できるようになったという。
すでに発売している、クラシックなカメラのような見た目のエントリーモデル「instax mini 40」は、ファッションサイトなどとも連携して訴求、計画の1.5倍の販売になるなど好調とのこと。mini EVOは「統合シナジーを生かした新製品で、最上位機種」(富士フイルム 取締役・常務執行役員 イメージングソリューション事業部長の山元正人氏)としている。
また市場の動向について山元氏は、世界100カ国・地域で展開するinstaxは、比較的コロナ禍の影響を受けず、回復基調になる今年度も伸びを見せているとした。今後はリアルなコミュニケーションの機会が増えることに期待し、新たな上位モデルを投入する形。同氏は「写真の楽しみ方は変わってきており、デジタル、スマホときて、最近はアナログへの回帰もみられる。(フィルムカメラの)写ルンですはもうかなり、人気が続いている。アナログな良さを見直す動きが出てきており、“映える”から“エモい”に、感情や心に響く写真にトレンドが移っている」と分析している。