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PayPay決済手数料有料化、解約は0.2%。ZHD「新しい資本主義」

PayPayは、10月からの決済手数料有料化による加盟店の解約店舗は0.2%、取り扱い高への影響は0.1%程度と発表。「手数料有料化の影響は非常に小さい」とした。

親会社のZホールディングス(ZHD)の決算会見で明らかにしたもの。影響が軽微だった理由について、ZHD代表取締役社長Co-CEOの川邊 健太郎氏は、「ユーザーの利用数や使い勝手、お店を含むユーザー体験の良さなどが支持された。また、有料化後の手数料率も、クレジットカードと比べると極めて低い」と説明した。

ZHDでは、PayPayを軸に金融事業を強化。PayPayのマネタイズは、「3階建て構造」として、決済手数料のほか、「PayPayマイストア」による加盟店向けサービス、金融サービスを展開。後払い、コンシューマ向けローン、加盟店向けの法人ローンなどを強化していく。

LINE PayとPayPayのコード決済の統合は、コストシナジーを追求しつつ、ユーザーおよび取扱高最大化を目指す方針。残高や会社の統合は行なわず、LINE PayウォレットでのPayPay払いやLINE PayユーザーのPayPay利用促進などを図っていく。

金融事業はPayPayブランドに集約。10月にはワイジェイカードをPayPayカードに社名変更。また、4月に行名変更したPayPay銀行は、PayPayユーザーの獲得が進み、口座数や預金残高、貸出金残高は堅調に推移しているという。

ワイジェイカードはPayPayカードに社名変更

ヤフー商標取得コストは7-8年で回収。ヤフコメは「意義ある場」に

ZHDの2021年度第2四半期売上高は3,776億円(前年比33.3%増)で、調整後EBITDAは1,008億円(同35.4%増)。LINEとの統合効果などにより、第2四半期で過去最高を更新している。

全社広告事業の売上収益は1,399億円(前年比67.0%)で、広告事業の成長により、LINEの連結業績も4四半期連続で営業黒字となった。また、オフィス集約やLINE Payの営業費用減少などで、2021年度は計100億円規模のコストシナジーを見込むほか、電子書籍事業の集約や、出前館への出資など、組織・事業再編を推進していく。

今秋には、国内でのYahoo!関連商標権・技術ライセンス等を1,785億円で取得し、ロイヤルティ支払いがなくなった。この件については、「ブランドを自分たちで管理でき、国内のサービスで自由にヤフーの名前を使えるようになった(川邊Co-CEO)」とし、費用面でも「今年度の下半期で約90億円の効果がある。概ね7、8年で取得コストは回収できる(坂上 亮介 GCFO)」とした。

質疑応答では、ヤフーニュースのコメントが誹謗中傷の温床になり、「閉じるべきではないかという意見もある」との質問も出た。川邊Co-CEOは、「ネットの重要なところは双方向性。発信者に対して見ている側はこう思っているということを提示し、ニュースへの視点を提供していきたいということでやっている。ユーザーアンケート等では効果が認められているので、その限りは続けたい。ただし、ヘイト的な内容や誤情報などが増えていることも認識している。啓発や削除を続ける。我々も十分な対応だとは思っていない。有識者の意見なども参考にしながら意義のある場にしていきたい」とした。

また、川邊Co-CEOは政府の「新しい資本主義実現本部」のメンバーにもなっている。川邊Co-CEOが考える「新しい資本主義」については、「成長があった上で分配が訪れるというのが基本的考え。私が申し上げているのは、デジタル、DXで成長していこうということ。また、DXを阻害する規制もある。規制改革+DXで成長し、分配されたらいいのでは。そういう形で働きかけを行なっていく」とした。