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ウェザーニューズ、雲の3D構造を高速スキャン「EAGLE レーダー」 全周50kmを30秒
2021年10月14日 11:00
ウェザーニューズは、周囲360度を高速スキャンし、雲の立体構造を観測できる高頻度観測小型気象レーダー「EAGLE レーダー」を千葉県内に設置。レーダーの有効性を確認する実証実験を開始した。2022年6月にかけてレーダーの精度評価と最終調整などを行なう。
ウェザーニューズで独自に開発した小型の気象レーダーで、周囲360度を高速スキャンし雲の立体構造を高頻度で観測する。従来の「WITH レーダー」では3次元観測に5分かかったが、新レーダーでは30秒で観測できる。
半径50km以内の積乱雲の発達状況をほぼリアルタイムに捉え、ゲリラ豪雨や線状降水帯、大雪、突風、ヒョウなど、突発的かつ局地的に発生する気象現象をより正確に把握できる。
データはウェザーニューズの予報センターで監視し、観測データを予報精度向上に活用。道路の管理事業者における除雪作業判断の支援など新サービスも開発していく。また、2年以内に日本を含むアジアの計50カ所に設置する計画をしており、グローバルにおける気象現象の監視体制も強化する。
同社は、EAGLE レーダーの展開を進めるにあたり、総務省と無線免許の新制度策定についての検討も推進。新制度が実現すると、EAGLE レーダーの設置が加速するとともに、観測データの販売も可能になる見込み。
EAGLE レーダーは、2014年からオクラホマ大学と共同で開発。2017年にはカナダ・トロントを拠点とするNANOWAVEとレーダーの量産に関する覚え書きを締結している。