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ヤマト、脱・固定ルートで配送効率化。配送量予測で適正配車
2021年8月4日 13:48
アルフレッサとヤマト運輸は、ビッグデータとAIを活用した、配送業務量を予測するシステムと適正配車を行なうシステムを開発。アルフレッサの首都圏の支店を対象に8月より導入する。
アルフレッサは医療用医薬品、医療機器、医療用検査試薬、介護用品、健康食品、一般用医薬品等の卸売販売を展開しており、ヤマト運輸とは2020年7月に、ヘルスケア商品の共同配送スキームの構築に向けて業務提携。今回の取り組みは提携の第1弾となる。
従来のルートが固定された配送体制では、配送業務の「ムラ・ムラ・ムリ」の発生や、納品および対面時間が長くなるという課題があった。
今回導入した配送業務量予測システムでは、アルフレッサがこれまでに蓄積した「販売」「物流」「商品」「需要トレンド」などのビッグデータをAIで分析。注文数、配送発生確率、納品時の滞在時間といった顧客毎の配送業務量を予測する。
続いて配車計画システムが、配送業務量予測システムで得られた情報を基に、配車計画を自動的に作成。ヤマト運輸が蓄積した物流や配車に関するノウハウや、渋滞などの道路情報を活用し、効率的かつ安定的な配車計画を作成する。また配送の業務量が多い時には、ヤマトグループの保有する配送リソースも機動的に活用することが可能で、これまで以上に安定した配送を行なえるという。
また、医療機関へ医薬品を納品する際、アルフレッサの配送員と医療機関の医療従事者が対面で検品作業を行なっているが、納品するアイテム数が多い場合は対面作業の時間が長くなることがあるという。アルフレッサはこれまで納品時に検品作業が不要な「パッケージ納品」を展開してきたが、今回導入するシステムに加えて、デジタル機能の活用による事前検品を増やすことで、医療機関における対面作業の時間を大幅に短縮できるとしている。
システムの導入により、配送生産性の最大20%向上を見込む。また固定化された配送ルートではなく、量に応じた最適な配送コースを設定できることから、走行距離およびCO2排出量を、最大25%削減できるとしている。
アルフレッサの首都圏の支店から開始し、全国の支店へ順次拡大予定。両社は持続可能な医薬品流通ネットワークを構築に向け、業務提携の第2弾、第3弾など、ヘルスケア商品の共同配送スキーム構築に向けた検討を進める。