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ペットボトル以外を入れづらいゴミ箱。飲料業界統一ボックスに
2021年8月3日 12:25
全国清涼飲料連合会は、ペットボトルのリサイクル促進に向けた取り組みとして、「自動販売機リサイクルボックス異物低減プロジェクト2021」を開始。新機能のリサイクルボックスを用いた実証実験を実施し、2022年秋に業界で初めての、業界統一仕様の汎用型リサイクルボックスとすることを目指す。
プロジェクトは異業種連携による取り組みで、日本たばこ産業による啓発の協力、ラベルメーカーのフジシールインターナショナル、キャップメーカーの日本クロージャー、リサイクルボックスメーカーのアートファクトリー玄が参画。実証実験は日本自動販売協会の協力、農林水産省や三重県の支援のもと実施する。
新機能リサイクルボックスの特徴は投入口が下向きとなっている点で、遠望から投入口が見えない、下からのため入れにくい、飲み残しのカップが投入できないといった仕様になっている。
投入口はペットボトルが入るサイズに最小化し、ゴミの投入を排除。大きな異物の投入を防止するため上部と下部を結束バンドで固定する。色は脱ゴミ箱の色彩として、SDGs11「住み続けられる街」のオレンジ色を採用している。
清涼飲料水の中ではペットボトル飲料が生産量ベースで76%のシェアを占めていることもあり、清涼飲料業界は2030年までにペットボトルの100%有効利用、ボトルtoボトル比率50%を目標に、プラスチック資源循環の促進に取り組んでいる。
取り組みの課題として、リサイクルボックスの中身の約3割が清涼飲料空容器以外の異物(2018年12月東京都内調査)であり、使用済みペットボトルの確実な回収ができていないこと、きれいな状態で集められていないことを挙げる。
この課題に対し、異物低減によるリサイクル現場での分別作業の効率化および品質や量の改善を図り、あわせてキャップ、ラベルの分別回収を進めることによる、カーボンニュートラルの実現を目指す。
これらを実現するには、排出事業者責任である自動販売機からの回収品質向上が不可欠であるとし、2020年度に農林水産省の支援を受け、投入口を下向きにした新機能リサイクルボックスを開発。東京都渋谷区での実証実験では、異物数が48%減、異物混入割合が以前の43%から29%へ改善したという。なお2020年度はスチール製だったが、2022年業界汎用型の普及を目指しプラスチック製となる。
実証実験実施エリアは、静岡県浜松市(8月23日から9月19日)、愛知県岡崎市(9月13日から10月10日)、三重県津市(9月27日から12月14日)。異なる期間で既存タイプと新タイプを設置するなどし、既存と新機能との異物数、種類別などの違いを検証する。