ニュース

晴雨兼用レンタル傘に自閉症アーティストデザイン。JT、豊島区、アイカサら

JTが取り組む「Rethink PROJECT」のもと、JT、豊島区、アイカサを展開するNature Innovation Group、障がいのある作家とアートライセンス契約を結ぶヘラルボニーの4者は、⾃閉症のあるアーティスト⼩林覚⽒によるデザインの晴⾬兼⽤シェアリング傘を、豊島区池袋エリアの傘シェアスポットにて展開する。

Rethink PROJECTは、JTがパートナーシップを基盤に取り組む地域社会への貢献活動の総称。「視点を変えれば、世の中は変わる。」をテーマとし、Rethink(再考)をキーワードに社会課題の解決に取り組む。例えば、ごみを「ひろう」から「すてない」という視点に変え、「ひろう」という体験を通じて「すてない気持ち」を育てるといった活動を行なっている。

アイカサは、設置されたレンタルスポットの傘を借りられ、借りた場所とは別のレンタルスポットで返却可能な、傘のシェアリングサービス。利用料金は1日(24時間)70円で、6日目以降から月末まで420円で使い放題となるほか、月額280円の使い放題プランも用意している。

豊島区は、「国際アート・カルチャー都市」としてSDGs未来都市に選出されており、また「多様性」を認めあう環境づくりを⾏なっている。それらを発信する媒体として、アイカサの傘に着目。協力による、まちの利便性や快適性の向上、使い捨てのビニール傘削減によるプラゴミやCO2排出量削減を目指す。

またアートを通じて多様性を発信するため、障がいのあるアーティスト⼩林覚氏にオリジナルデザインを依頼。多くの人に多様性について考えるきっかけを提供するとともに、傘が利用されることにより街中がアート会場のようになることも期待する。

傘のデザインとして描かれているのは「Rethink PROJECT」の文字。小林氏は養護学校中等部在学中に、字と字をつなげることに拘りを持ち始め、周りの人はそれを直そうとしていた。しかし高等部に上がってからは、これを造形表現ととらえることに切り替え、アートとして昇華させていったという。

⼩林覚氏
「Rethink PROJECT」の文字
裏側
ネーム(バンド)部分

傘はPU加工が施された、日傘としても有効な晴雨兼用タイプ。1,000本を池袋エリアで展開するが、利用者により他のエリアに持ち出されて利用されることも想定している。

設置場所は豊島区が管理するとしま区民センターのほか、西武鉄道池袋駅、サンシャインシティ、メトロポリタンプラザビル、池袋マルイなど。駅から商業施設といった人の動線に設置することを狙いとしている。

なおアイカサでは、7⽉20⽇から10⽉27⽇まで、熱中症警戒アラートが発表された⽇に1⽇無料で利⽤できるクーポンを発行する。

(左から)日本たばこ産業 東京北部支店 支店長 東秀洋氏、同 東京支社 支社長 島川敏彦氏、豊島区 副区長 齊藤雅人氏、豊島区議会 議長 磯一昭氏、ヘラルボニー 代表取締役社長 松田崇弥氏、Nature Innovation Group 代表取締役 丸川照司氏