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東京に21日ぶり4回目の緊急事態宣言。8月22日まで
2021年7月8日 19:26
政府は8日、東京都に緊急事態宣言の発出を決定した。期間は7月11日から8月22日まで。東京都の緊急事態宣言は6月21日に解除されたばかりだが、21日ぶり4回目の宣言となる。また沖縄県の緊急事態宣言も8月22日まで延長される。新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるため、外出の自粛や行動の抑制により、人々の接触の削減を求めていく。
まん延防止等重点措置発出中の都道府県のうち、埼玉、千葉、神奈川、大阪の4府県の措置は、8月22日まで延長される。一方、重点措置地域のうち北海道、愛知、京都、兵庫、福岡の5道府県は11日の期限をもって解除となる。
緊急事態宣言となる東京・沖縄では、酒類提供の停止などの措置を行なう。
飲食店については、飲食店の営業時間を午後8時までとするほか、酒類の提供を終日停止する。まん延防止等重点措置の4府県においても、酒類提供の自粛を呼びかける。百貨店や大型商業施設へは、午後8時までの時短営業を要請。イベント・スポーツについては、収容人数の上限を5,000人もしくは定員の50%以内とする。
菅総理は、「ワクチン接種が進み、全国の多くの地域で感染者数が減り、重症者数が減ってきた。医療現場の負担が減ってきたという声があがっており、心より感謝申し上げる。しかし、残念ながら首都圏では確実に拡大している。人流の増加とデルタ株の影響で拡大が懸念される。ワクチン接種の進捗により、重症者病床利用率は低い水準にとどまっているが、東京を起点の感染拡大は絶対に避けないといけない。先手先手で予防的措置を講じる。今一度緊急事態宣言を発出する」とし、東京都の緊急事態宣言と沖縄の延長に言及。一方で、「期間は、8月22日までだが、ワクチン効果が更に明らかになり、病床の状況に改善があれば前倒しで解除する」とした。
今月3日、静岡県熱海(あたみ)市で発生した土石流は、これまでに9名の方の死亡が確認されるなど、甚大な被害が発生をしております。また、国内各地でも被害が発生しています。亡くなられた方々の御冥福をお祈りするとともに、被害に遭われた全ての皆様に心よりお見舞い申し上げます。
熱海市では、現在も20名を超える方々の安否が確認できていないとの報告を受けており、警察、消防、海上保安庁、自衛隊が2,000名を超える体制で、懸命に救助活動に当たっております。引き続き速やかな救助と、被災者の支援に全力を挙げてまいります。
先ほど新型コロナ対策本部を開催し、東京都に緊急事態宣言を発出すること、沖縄県の緊急事態宣言は延長することとし、期間をそれぞれ8月22日までとすること、まん延防止等重点措置については、埼玉県、千葉県、神奈川県、大阪府について8月22日まで延長し、北海道、愛知県、京都府、兵庫県、福岡県について7月11日をもって終了することを決定いたしました。
4月の初旬より措置を続けてまいりましたが、この間、ワクチンの接種が大幅に進展し、全国の多くの地域において新規感染者の減少が続いております。重症者数も大幅に減少し、医療の現場からは、負担が軽減されてきたという声も聞こえてきます。自治体及び医療従事者の皆さんに心より感謝申し上げます。
こうした中でも、残念ながら首都圏においては感染者の数は明らかな増加に転じています。その要因の1つが、人流の高止まりに加えて、新たな変異株であるデルタ株の影響であり、アルファ株の1.5倍の感染力があるとも指摘されています。デルタ株が急速に拡大することが懸念されます。
一方で、感染状況には従来とは異なる、明らかな変化が見られています。東京では、重症化リスクが高いとされる高齢者のワクチン接種が70パーセントに達する中、一時は20パーセントを超えていた感染者に占める高齢者の割合は、5パーセント程度までに低下しています。それに伴い、重症者用の病床利用率も30パーセント台で推移するなど、新規感染者数が増加する中にあっても、重症者の数や病床の利用率は低い水準にとどまっております。
しかしながら、東京の感染拡大は全国に広がり得るものであります。夏休みやお盆の中で、多くの人が地方へ移動することが予想されます。ワクチン接種が大きく進み、新型コロナとの闘いにも区切りが見えてきた中で、ここで再度、東京を起点とする感染拡大を起こすことは絶対に避けなければなりません。そうした思いで、先手先手で予防的措置を講ずることとし、東京都に緊急事態宣言を今一度(ひとたび)、発出する判断をいたしました。
措置の期間は、お盆明けの8月22日までといたしますが、ワクチンの効果が更に明らかとなり、病床の状況などに改善が見られる場合には、前倒しで解除することも判断いたします。
前回の宣言を解除してから3週間で再び宣言に至り、国民の皆様に様々な御負担をおかけすることは、大変申し訳ない思いであります。しかしながら、この期間を乗り越えて、必ず安心の日常を取り戻すとの決意で取り組んでまいります。
具体的には、東京、沖縄では、飲食による感染リスクを改めて封じ込めるために、飲食店における酒類の提供を一律に停止いたします。まん延防止等重点措置の対象となる地域でも、酒類の提供は原則停止とし、地域の状況に応じて判断いたします。
飲食店に対する協力金の支給の遅れもあり、営業時間の短縮や、酒類の提供のルールに御協力いただけない店舗が増えているとの御指摘もあります。また、多くの飲食店にとってお酒の提供が営業を続ける上での死活問題となっているという声も耳にします。支給の遅れが経営問題に直結することがないように、これまでの協力金を簡易な審査で速やかに支給するとともに、今後の措置に御協力いただける飲食店に対しては、協力金を事前に支払うことを可能とします。同時に、今後、各都府県において、飲食店への見回りを拡大し、対策の実効性を高めてまいります。
お酒を伴う飲食は、どうしてもマスクを外す時間が長くなり、大きな声での会話も避けられません。飲食店の皆さんには、度重なるお願いに大変申し訳なく思いますが、今一度、何とぞ御協力をお願い申し上げます。
また東京では、20代から50代の感染者が急増し、40代、50代では重症者も増えています。職場や家庭内の感染も顕著になっています。マスク、手洗い、3密の回避という基本的な感染対策を徹底し、取り分け会話の際にはマスクを着用するよう、お願いいたします。
全国の津々浦々でワクチン接種の加速化が進んでいます。自治体や医療などの関係者の御尽力により、今や世界でも最も速いスピードで接種が行われていると言われています。1週間の接種回数は900万回を超えています。本格的な接種が始まってから2か月余りで累計の回数は5,400万回を超え、既に高齢者の72パーセント、全国民の27パーセントが1回の接種を終えています。
先行してワクチン接種が進められた国々では、ワクチンを1回接種した方の割合が人口の4割に達した辺りから感染者の減少傾向が明確になったとの指摘もあります。今のペースで進めば、今月末には、希望する高齢者の2回の接種は完了し、1度でも接種した人の数は全国民の4割に達する見通しであります。
一方、予想を上回るペースで接種が進む中で、一部の自治体などからワクチンが足りないとの声が聞かれます。全体として、全国の自治体には先月までに9,000万回のファイザー社のワクチンが人口に応じて配分されております。そのうち4,000万回分が使用されずに、在庫となっていると見込まれます。その上で、7月から9月には、毎月2,500万回分が配分されます。このため、在庫を合わせて活用していただければ、1日120万回程度のペースで接種を続けていくことが可能です。
ワクチンの配分方法についても、来月から、接種の進む市町村に多く配分できるよう、見直しを行うこととし、また、配分量をできるだけ早期にお示しすることによって、接種が円滑に進むように努めてまいります。
加えて、モデルナ社のワクチンがこれまでに1,400万回分確保され、9月までに3,600万回分が追加されます。これを活用した企業や大学などの接種についても、先週までに200万回の接種が行われました。受け付けた申請の精査を速やかに行い、確実に対応してまいります。
多くの皆様に大変な御心配をおかけしましたが、このように9月までに希望される全ての国民に接種が可能となる2億2,000万回分の十分な量が確保されております。速やかに接種に万全を尽くしてまいります。
オリンピックの開幕まで、あと2週間です。緊急事態宣言の下で異例の開催となりました。海外から選手団、大会関係者が順次入国しています。入国前に2回、入国時の検査に加え、入国後も選手は毎日検査を行っており、ウイルスの国内への流入を徹底して防いでまいります。選手や大会関係者の多くはワクチン接種を済ませており、行動は指定されたホテルと事前に提出された外出先に限定され、一般の国民の皆さんと接触することがないように管理されます。
東京大会について、私は、これまで、緊急事態宣言となれば無観客も辞さない、このように申し上げてきました。そうした中で、この後の組織委員会、東京都、IOC(国際オリンピック委員会)などとの5者協議において、観客の取扱いが決められる予定です。世界で40億人がテレビを通じて視聴すると言われるオリンピック・パラリンピックには、世界中の人々の心を一つにする力があります。新型コロナという大きな困難に直面する今だからこそ、世界が一つになれることを、そして、全人類の努力と英知によって難局を乗り越えていけることを、東京から発信したいと思います。
また、東京は、史上初めてパラリンピックを2度開催する都市となります。障害のある方もない方も、お年寄りも若者も、みんなが助け合って共に生きるという共生社会の実現に向けた心のバリアフリーの精神をしっかり伝えたいと思います。
今回の大会は、多くの制約があり、これまでの大会と異なりますが、だからこそ、安心・安全な大会を成功させ、未来を生きる子供たちに夢と希望を与える、歴史に残る大会を実現したいと思います。
昨年来、一進一退の感染対策が続き、国民の皆様にはその度に御迷惑をおかけしてまいりました。未知の敵との闘いは、私にとっても心が休まるときはありません。しかし、ワクチンによって、変異株であっても発症や重症化を大きく防ぐことができます。治療薬の開発も進んでいます。
今必要なことは、感染を抑えながら、1人でも多くの方にワクチンを接種していただくことです。それによって、新型コロナとの闘いに終止符を打って、安心できる日常を必ず取り戻すことができると信じています。皆様方の御理解と御協力を心からお願い申し上げます。