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freeeが目指す「統合型経営プラットフォーム」。ロゴも刷新
2021年6月23日 09:10
freeeは22日、事業戦略説明会を開催し、法人カード「freeeカード Unlimited」β版を発表したほか、新ビジョン「だれもが自由に経営できる統合型経営プラットフォーム」のもと、今後の事業戦略について説明した。
freeeは、2011年7月に設立し、クラウド会計ソフト「freee」などを展開し、スモールビジネスのバックオフィス業務の効率化やIT化を促進してきた。freeeの有料課金事業者は28万社を超えている。10年目を迎えた今年も、「スモールビジネスを、世界の主役に。」というミッションは不変だが、新ビジョンとして「だれもが自由に経営できる統合型プラットフォーム。」を掲げた。
新ビジョンは、今後の方向性をまとめたもので、あらゆるバックオフィス業務を統合し、ビジネスに関わる業務を自動化し、経営の可視化も行なう。それにより、よりよい経営アクションを導くことをfreeeのサービスの目標とする。
freee 佐々木大輔CEOは、freeeの特徴として、「統合型クラウドソフト」であることと説明、あらゆる業務が繋がり、会社で自動的に会計帳簿が付いて、経営分析ができるようになる点を強調した。請求書の発行や入金の確認、レジ使用、支払いなど日々の会社活動を行なうことで帳簿が付き、経営の分析まで行なえる。これを一括で行なえるという点がfreeeならではの特徴とする。
新ビジョンでは、この「統合型」をさらに進めた「クラウドERP」とし、会計以外のあらゆる業務データをつなげることを目指す。会計、人事、稟議などが密接に連携し、プロジェクトにも反映されるなど、様々な自動化、可視化をもたらすという。大企業だけでなく、スモールビジネスにもクラウドERP環境を提供し、スマートな経営のアクションを支援する。
一例として、法人カード「freeeカード Unlimited」を発表。イシュアとしてfreee自身がクレジットカードを発行開始し、freeeの会計帳簿のデータを使って独自の与信モデルを提供。「今までより圧倒的に高い限度額」が提供可能で、サーバー代など成長中のスタートアップの資金繰り改善に寄与できるとする。また、Web上の利用明細への反映なども最速で同期できるため、リアルタイムでのデータ反映が可能とする。
freeeプラットフォーム上でビジネスカードを提供することで、支払いに関する経理業務を自動化。さらに、リアルタイムで支出管理でき、大きな与信枠により会社の資金繰りも改善できる。これらがfreeeの中に決済機能(カード)をもつ意味で、統合型ERPの特徴とする。
freee、限度額3000万円の法人カード。クラウド会計と連携
さらに統合型ERPの業務も拡大。契約や固定資産などの管理にも対応していく。
人事労務においても、勤怠の打刻や申請、従業員情報管理、給与計算・労務管理などを一元化。freee人事労務の新機能として、新たに「freee勤怠管理Plus」を提供開始し、50名以上の会社においても高度なニーズに対応できるようにする。また、2021年度中に固定資産モジュールも提供する。
また、freeeにおけるアプリなどのオープンプラットフォーム化も推進。freeeアプリストアでは100以上のアプリを掲載しているが、新たに「課金」にも対応。業務用アプリ提供社がアプリストアでサービス販売可能にする。
統合型経営プラットフォームを目指して、M&Aも強化。今春には354億円規模の資金調達を行なったほか、4月には契約業務をクラウド完結できる「NINJA SIGN」を提供するサイトビジットを子会社化した。
NINJA SIGNは、6月22日からNINJA SIGN by freeeという名称に刷新し、freee連携を強化。契約業務をクラウド上でワンストップで処理可能とする。
さらに、スモールビジネス支援のために「出版社」も開始。freee出版として、年内に書籍を発行予定。また、スモールビジネスの課題研究や情報発信を担う「スモールビジネス研究所」も設立する。
新ビジョンの発表とあわせて、ブランドロゴもリニューアル。freeeの各サービスにおいて、ロゴを刷新していく。また、名称も「freee〇〇」で統一する。