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ヤフー、2020年度は1.7億件の広告素材に「ノー」。品質向上の取組

ヤフーは、広告に関する審査実績をまとめた、2020年度の「広告サービス品質に関する透明性レポート」を公開した。今年度で3回目となるレポートで、非承認とした広告の傾向なども明らかにされている。

ヤフーは、関連する法規やガイドラインを元に独自の広告審査基準を設けており、掲載前の審査だけでなく掲載後にも審査し、スタッフとシステムの両面でチェックする体制。世の中の動向も鑑みながら、その内容は更新されており、体型や毛髪といったコンプレックスに訴える内容の広告が減少したのも審査基準を随時見直す取り組みの効果となる。

2020年度は約1億7,000万件の広告素材(タイトルや説明文、画像、リンク先Webサイト、キーワードなど)が、広告審査基準や広告入稿規定、広告販売ルールに抵触したとして非承認になった。2019年度は約2億3,000万件が非承認になっており、約6,000万件の減少になっているが、その理由について、違反表現や大量の非承認広告を入稿する広告主が減少したこと、また広告主に向けて地道な啓発活動を行なった結果としている。

違反表現を繰り返したり大量の非承認広告を入稿したりする広告アカウントは、停止措置が5,215件になった。これにより非承認になる広告素材を入稿する広告主が減少、広告素材の非承認件数の減少につながったとしている。

広告素材の非承認の理由については、「ユーザーに不快感を与えるような表現」が2019年度から減少、「最上級表示・No.1表示」が最も多い非承認理由となった。また2019年度と比較して、関連するガイドラインの改定などにより薬用化粧品などが掲載基準に抵触し非承認になる件数が増加した。

掲載された広告について、隅に表示されるアイコンをクリックしてユーザーが意見を申告できるJIAAインフォメーションアイコンプログラムは、すべての広告で実施。2021年1月からは、ユーザーからの意見などが一定の閾値を超えた広告の掲載を停止する取り組みも開始している。

このほかレポートではアプリの広告掲載面審査が増加し、実態不明業者などに該当することで非承認になる件数が増加していることや、アドフラウド対策(ボットによる広告クリックの検知)の推移についてレポートしている。薬機法や医療法など法律の解釈が難しいものは、具体的な可否の事例で解説する資料集を公開する取り組みも開始している。