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家中どこでもつながる「EasyMesh」。バッファロー全Wi-Fi 6ルータを無償対応

バッファローは、同社Wi-Fi対応ルーター等の全ラインナップを、メッシュネットワークの共通規格である「Wi-Fi EasyMesh」に対応させる。2019年以降発売のWi-Fi 6ルーター及び中継機の全ラインナップがファームウェアアップデートにより使用可能になる。

Wi-Fi EasyMeshは、Wi-Fi Allianceが策定した標準規格。従来、メッシュネットワークに対応する製品は、メーカー独自規格の製品が主流で、異なるメーカー同士で接続することはできなかった。Wi-Fi EasyMeshに対応する製品はメーカーを問わず、同一のメッシュネットワークに接続できるようになる。

同社では、2019年以降に発売されたWi-Fi 6ルーター、中継機など全てをWi-Fi EasyMeshに対応。今後発売する製品についても対応していく。ファームウェアのアップデートは、6月3日から順次対応予定。Wi-Fi EasyMeshには基本機能のみのRelease 1と、さまざまなオプション設定にも対応するRelease 2があり、同社が採用したのは後者。

同社調査によると、新型コロナウイルスの感染拡大以降、市場は急激にWi-Fi 6への移行を続けており、今年4月の普及率は32%。今年中には50%に達する見込みという。また、Wi-Fiルーター購入時に最も重視しているのは「電波到達範囲」とし、価格よりも重視されている。

テレワークなどの普及によって、家の中のいろいろな場所でWi-Fiを使うケースが増加。普段とは違う部屋でWi-Fiを使うケースなどが増えたことで、改めて通信速度の重要性が見直されているという。このため2019年から2020年にかけてのWi-Fiルーターの販売台数は112%、Wi-Fi中継機については199%成長。繋がらない場所を減らしたい、というニーズが顕在化しているとした。

また、中継機の機能として最近注目されているのが「メッシュネットワーク」に対応する機器だが、現時点では、メッシュに対応するWi-Fiルーターは、全体の15.7%、中継機は36.1%とし、認知度についても、通常のWi-Fi中継機については6割の人が存在を知っているが、メッシュネットワーク対応の中継機についての認知度は3割とし、今後成長が見込まれる市場だという。

オンライン会議中の部屋移動もOK

メッシュネットワークは、Wi-Fiの電波を家やオフィスなど広い範囲でスムーズに使えるようにするための仕組み。有線接続された親機となるメッシュ対応のWi-Fiルーターと、メッシュ対応の中継機で構成される。電波の弱い部屋などに中継機を設置することで、安定した通信を可能とするものだが、従来の中継機よりもスムーズに通信ができるのが特徴。

従来のWi-Fi機器では、1台のWi-Fi機器だけで3階建等の家の隅々まで電波を行き渡らせることは難しい場合が多い。Wi-Fiの中継機などWi-Fi機器を複数台設置して電波の範囲を拡張することもできるが、ユーザーが家の中を移動してもスムーズに中継機に電波が切り替わらず、通信速度が遅かったり、切り替えに時間ががかり動画の再生が止まったりしていた。

これはスマホなどのデバイス側で接続先を切り替える判断をしているため、うまくWi-Fi機器同士の連携ができないことが原因で、電波が弱まってもスマホが遠くにある機器に接続されたままになってしまうことが発生する。

同社のメッシュネットワークでは、EasyMesh親機がコントローラーとなり中継機やスマホと連携するため、最適な通信経路を自動選択し、安定した通信速度を得ることができる。高速ローミングにも対応し、他の機器への切換もスムーズ。ビデオ会議中に部屋を移動しても、会議の動画はほぼ止まること無く、自動で接続を切り替えてくれる。

また、メッシュネットワーク製品では5GHz滞のみに対応するものもあるが、同社の製品は、2.4GHz帯と5GHz帯に対応し、それぞれ電波の特性が異なる。例えば2.4GHz帯では、電子レンジなどの電磁波に干渉されるため、電子レンジが使われるとうまく通信ができないことも多い。5GHzは2.4GHz帯に比べて通信速度が速いが、障害物に弱く鉄筋コンクリートなどによる家では電波が遮断されやすく、機器から離れると速度がでない。

最適な通信速度が得られる機器にリアルタイムで切り替えるため、ユーザーが操作をする必要は無い。電子レンジ使用時に2.4GHz帯が通信できなくなったら自動で5GHzに変更したり、5GHz帯使用中に部屋を移動して電波が弱くなったら自動的に2.4GHz帯に切り替えて接続を維持する。

また、有線LANベースのメッシュネットワーク構成も可能。部屋ごとに有線LANが使用可能な場合に、メッシュ機器を有線LANで接続することで、より安定した通信が可能になる。

同社では、既存ラインナップをファームウェアアップデートでEasyMeshに対応させるほか、9月にはエントリーモデルとなる製品も発売。EasyMesh対応製品の普及を目指す。