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エレベータも非接触。空中入力ソリューション「AirInput」
2021年5月27日 20:20
アルプスアルパインは、非接触でボタンを操作できる空中入力ソリューション「AirInput」を、リクルート新社屋のエレベータ操作盤と館内照明スイッチに試験導入した。導入はコスモスモアと共同で行なった。
エレベーターのスイッチやトイレの洗浄スイッチなど公共空間の入力装置は「だれが触ったか分からない」「操作部が汚れている」などの理由から、直接触れずに操作するニーズが高まっている。
AirInputは、独自の高感度静電容量センサーを応用し、触れずに操作できる空中入力ソリューション。館内照明操作スイッチに採用された「AirInput Panel」は、非接触で照明のON/OFFを切り替えることが可能。操作したいフロア区画のアイコンに指を約3cmまで近づけると選択中を示すサークルが現れ、サークルが1周すると照明のON/OFFを実行する。サークルが1周する前に指を離すと決定操作を中止することができ、誤操作を防ぐ。
エレベータ操作盤に採用された「AirInput Switch」は、移動したい階を示す数字の約4cmまで指を近づけることで、数字の周囲が薄っすらと照光し選択中の合図を出す。さらに約2cmまで指を近づけると決定操作がされ、白色ライトが継続照光。選択した階に到着すると自動で消光する。
エレベータ外の乗り場にも上下の矢印アイコンから成る同製品を備え付けることで、エレベータの操作全てを非接触で行なえる。今回は、30年前に設置された既存のエレベータを非接触化した。
両製品とも、指の距離に応じたアイコンの動作や決定操作までの時間などを作り込むことで、非接触でも感覚的かつ快適な操作を実現するという。なお、実際に触れて操作することも可能となっている。
AirInput Switchには独自の加飾印刷技術を使用し、エレベータに高級感を演出する漆黒のデザインをあしらった。約1μmの薄膜固形インクを熱で溶かして色付けする溶融熱転写方式の独自印刷機によりインクを何層にも積層印刷するもので、複雑な形に成型することが難しい木材や金属などの見た目・感触を、樹脂などの比較的低コストかつ成形が容易な素材へリアルに再現するという。
自社開発の特殊インクを用いることで、背面から照光してアイコンを浮かび上がらせるステルスアイコン機能も実現。指の近接および決定操作の際のサークル照光を可能にした。さらに、印刷機は版を不要とするオンデマンドプリンタのため、印刷データ完成後速やかに印刷が開始でき、色の変更も容易としている。
今回の試験導入により、実利用における課題や利用者の目線に立った操作性の検証を行なうことでAirInputの作りこみを進め、本年度中の製品化を目指す。エレベータや照明操作用途以外の市場展開も並行して進める。