請求書デジタル化「Bill One」、中小企業に無料提供

Sansanは、クラウド請求書受領サービス「Bill One」において、従業員100名以下の企業に無料で提供するプラン「スモールビジネスプラン」を開始した。地域や業種は問わず、対象の企業は、初期費用、月額費用ともに無料で利用できる。

あらゆる請求書の代理受領とデジタル化、および請求書関連の業務をデジタル化するサービス「Bill One」に追加される、従業員100名以下の中小企業に無料で提供される新プラン。Bill Oneではこれまで、最小規模でも月額10万円が必要だったが、無料のスモールビジネスプランを新設、中小企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援する。

スモールビジネスプランでは、受領できる請求書は月に100件まで。また閲覧できる請求書は最新の500件に限られる。これらの制限は、有料プランに切り替えると解除される。

スモールビジネスプランは、請求書業務のデジタル移行が進んでいない、あるいはまったく行なっていない中小企業が、これから始めるのに最適というプラン。請求書の送付先をBill Oneに変更するだけと、コストをかけずに始められるほか、請求書関連の書類にハンコを押すためにだけに出社するといったことを減らし、テレワークを推進できる。中小企業においては、経営者が兼任することが多い経理業務の負担も軽減できる。スモールビジネスプランはサービス開始1年間で5,000社への導入が目標としている。

Bill Oneは、すべての請求書を代理で受け取り、紙の請求書はスキャンして高精度にデータ化し、受領する企業はデジタルデータで請求書を管理できるようになるサービス。請求書の発行側に負担をかけることなく請求書業務をデジタル化でき、申請や承認業務を社内全体で管理しやすくしたり、月次の経理業務を迅速化したりすることが可能。受領した請求書のデータベースにより、部門を越えたすべての取引を可視化できるため、無駄を省いたり、会社の資産として活用したりできる。

Sansanでは、従業員が個人レベルで管理していた名刺をデジタル化した同社のサービスを例に、Bill Oneで「名刺に起こしたデジタルトランスフォーメーションを請求書でも起こす」と意気込む。請求書の代理受領やスキャン、デジタル化の仕組みは相応にコストがかかっており、同社としてもリスクのある判断とする一方、同社が掲げるビジネスインフラ化への大きな一歩と位置づけている。