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「飛沫抑制と通気性を両立させたマスク」実現へ。花王・産総研・アントラーズ

花王は、慶應義塾大学理工学部の奥田知明教授、鹿島アントラーズ、産業技術総合研究所と共同で、「飛沫抑制と通気性を両立させたマスク」を開発。マスクの感染予防効果と快適性を両立し、大規模イベントの安全な開催をめざす研究プロジェクトに参画する。

本プロジェクトでは、不織布製マスクで発声時にマスクを透過する飛沫量を画像解析により可視化するほか、着用時の快適性をアンケートにより確認。飛沫抑制効果が高く、快適なマスクの実現を目指す。

実証実験では、花王が不織布製品で展開している快適性を高める研究を応用して開発したプロトタイプマスクを含む複数の不織布製マスクを用意。実験室で飛沫抑制効果と快適性を評価するほか、県立カシマサッカースタジアムにおいて、マスク着用時の快適性評価の実証試験を行なう。

プロトタイプを含む複数の不織布製マスクで、着用者の発声時にマスクを透過する飛沫量を画像解析により可視化。さらにパーティクルカウンター等での定量化手法を用い、実使用場面を想定した飛沫抑制効果を慶應義塾大学理工学部の奥田知明教授が検証する。

花王は、呼吸シミュレーションや、不織布製マスクのすき間部の空気流体解析等から、呼吸時の不織布製マスクの飛沫抑制効果を検証。さらに、鹿島アントラーズと花王を中心に、鹿島アントラーズの主催試合において、月に1回程度、プロトタイプマスクを数百人規模のスタッフや警備員などに着用してもらい、さまざまな気象条件における快適性の評価と着用状況の観察を行なう。

これらの検証結果を元に、花王がプロトタイプマスクの改良を行なう。産総研は、リスク評価モデルを活用し、複数の異なる不織布製マスクを対象に、データから着用時の感染リスク低減効果を評価する。

実証試験は、5月26日にカシマサッカースタジアムでJ1リーグ第16節鹿島アントラーズ対セレッソ大阪戦から開始。将来的には観客を対象とした着用時の快適性の評価、快適性とマスク着用方法の関係を評価し、大規模イベントのより安全な開催をめざす。また、研究成果はJリーグ等の関係団体に報告し、公表する。