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ヘルメット無しの電動キックボードシェア、ついにスタート。Luup

Luupは、4月23日17時から電動キックボードシェアサービスを開始する。電動シェアサイクル用の「LUUP」アプリ内で、電動キックボードも選択可能となる。政府の特例措置のもとの実証実験で、ヘルメット着用が任意となる電動キックボードのシェアリングサービスは国内初。

電動キックボードの利用には運転免許証が必要。事前に運転免許証の登録とテスト受講も必須となる。実証実験中の料金は初乗り110円(最初10分)+16.5円/分。キックボードの速度は最高15km/h。300ポート以上のLUUPのポートのうち、約200ポートで電動キックボードが利用可能になる。

提供エリアは、渋谷エリア、新宿エリア、六本木(赤坂/虎ノ門)エリアで、キックボードは主に渋谷周辺からスタート。初日には約100台を展開する。シェアサイクルより短距離かつ服を選ばずに利用できるといった電動キックボードの特性を活かして、利用状況や安全性、利便性を確認していく。なお、LUUP利用者は、対物賠償、対人賠償、自身の怪我が保険の対象となる。

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今回の実証実験では、経産省による「新事業特例制度」を活用し、電動キックボードを原付ではなく「特殊小型自動車」扱いとする。そのため、ヘルメットの着用が任意となるほか、自転車レーンの走行が許可され、一方通行だが「自転車走行可」とされている車道も走行できる(歩道の走行は禁止)。

なお、車両の走行が多い道路については、自主的に走行禁止道路と設定。走行禁止道路は、アプリ上のマップで表示し、利用者に迂回を促す。また、4月29日から5月5日までのゴールデンウィーク期間中は、東京 渋谷の宮下公園で安全講習会も開催する。

ヘルメット無しの電動キックボードシェア、ついにスタート

渋谷マークシティ下のLUUPのポートには、30台近い電動キックボードを準備。明日以降も順次台数を増やしていくという。

今回の実証実験では、ヘルメットなしでの安全性や、速度についての知見の収集、電動キックボードの利便性・市場性などの検証が大きな目的となる。ただし、運転免許を持っていれば多くの人が利用できる一般向けのサービスとして提供される。

特に速度については、原付扱いの実証実験では20km/h、一般的な電動シェアサイクルは24km/hに対し、電動キックボードの15km/hは、かなり“遅い“設定になる。これは現在の小型特殊自動車の上限速度のためで、歩行者の安全性という意味ではプラスとなる一方で、車道走行時、特に右折時などでのクルマとの速度差などは、利用者の安全性の懸念もある。速度に対し、交通システム全体での安全性を検証することも、今回の実証実験の大きなテーマとしており、データを収集していく。

また、LUUPのサービスは、女性ユーザーも多く、スカートでも乗れるなど服を選ばないという点で、女性がかなり多くなるのではと予想。一方、免許証の取得率は男性の方が高く、実際にサービス開始してみなければわからないことも多い。また、利用距離もシェアサイクルより短くなると想定しているが、実際の利用状況を見ながらシェアサイクルに対する優位性の有無などを検証していく考え。

Luup 岡井大輝CEO

Luupの岡井大輝CEOは、「ニーズがなければ電動キックボードという形にはこだわらない」と説明。社会に最適な電動モビリティのあり方をキックボードに限らず模索していく。なお、同社の電動シェアサイクルで一番多く寄せられている意見が「かごがほしい」とのことで、シェアサイクル、キックボードともに、かご設置も予定しているという。