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集英社、「マンガアート」世界販売。ブロックチェーンで来歴記録
2021年3月2日 12:56
集英社は、マンガ作家の作品を優れた印刷技術と素材でアート作品として制作し、世界に向けて販売する事業「SHUEISHA MANGA-ART HERITAGE」を開始した。ブロックチェーン証明書を発行し来歴を永続的に記録できるなど新たな取り組みも行なわれる。数量限定で、基本的に抽選販売となる。
第1弾として、尾田栄一郎「ONE PIECE」、池田理代子「ベルサイユのばら」、坂本眞一「イノサン」「イノサン Rougeルージュ」の3作品からアイテムを販売する。3月31日まで抽選販売の申し込みを受け付けている。
いずれも連載誌や単行本で掲載された作品を元にする。カラー原画を元にした「REAL COLOR COLLECTION」、見開きなどのモノクロ原画を元にした「THE PRESS」という2つのシリーズがラインナップされている。このほか、描きおろしなどを含めて1点のみが制作される「THE ORIGINAL」シリーズも発表される予定。
同社がマンガ作品の紙の原画をデジタルアーカイブで蓄積してきた取り組みが活かされる事業。カラー作品は、PHASE ONEのCULTURAL HERITAGEシリーズなどで撮影され、耐光性インクを用いて、美術館収蔵作品に使われる保存性の高いコットン100%のベルベット・ファイン・アート・ペーパーにプリントされる。デジタル原画の作品は、原画データに対し作家が再調整や加筆を行なう。モノクロ作品は、1960年代製のハイデルベルグ活版平台印刷機を用いて制作される。セイコーエプソンや共同印刷など関連各社とも提携する。
制作されるマンガアート作品はそれぞれ5~20枚に限定される。加えて、ブロックチェーン技術により、作家と版元の真正性が保証される。所有者情報も、個人情報を秘匿した上でブロックチェーン上に永続的に記録され、その変遷が分かるようになっている。
ブロックチェーン技術として採用されたのは、スタートバーンのブロックチェーン証明書発行サービス「Startbahn Cert.」。添付されるブロックチェーン連携販売証明書は、スマートフォンでICタグをスキャンすれば作品情報や現在の所有者を確認できるほか、譲渡する際にも使用する。