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パナソニック、停電リスクを予測して「備え発電」するエネファーム

家庭用燃料電池「エネファーム」 (左)熱源機一体型、(右)熱源機別置型

パナソニックは、セルラー方式のLPWA(Low Power Wide Area)通信機能を標準搭載した家庭用燃料電池コージェネレーションシステム「エネファーム」の戸建住宅向け新製品を、4月1日に発売する。価格は販売先により異なる。

同製品は、気象データを取得して自動で最適発電を行なう機能を搭載。ウェザーニューズとの連携により実現した機能で、業界初となる。具体的には、ウェザーニューズが提供する「停電リスク予測API」を受信した際に自動的に発電モードを切り替えて停電に備えるほか、「1kmメッシュ天気予報」をもとに日々の運転計画を作成して発電を行なう「おてんき連動」を搭載した。

停電リスク予測APIは、ウェザーニューズが提供するWxTech(ウェザーテック)サービスで、これを受信すると停電発電にそなえた待機モード「停電そなえ発電」に自動で切り替わる。その後、実際に停電が発生した場合は停電発電を継続し、停電が発生しなかった場合には通常運転に戻る。

ウェザーニューズは、過去の台風で発生した停電情報と風速データの相関関係の分析を元に開発した独自の予測モデルを用いて、5kmメッシュのエリアごとに停電発生のリスクを予測。この「停電リスク予測」がパナソニックのクラウドサーバーに送られ、そこから対象地域のエネファームに「停電そなえ発電」への切り替え信号を発信する。

この機能の搭載により、深夜などエネファームが運転を停止している時間帯に停電が発生しても外部電源による再起動が不要になり、停電発生時でも電気の使用が可能となる。

おてんき連動は、毎日18時にウェザーニューズの1kmメッシュ天気予報を受信し、翌朝4時にその日の運転計画をエネファームが自動で作成する。エネファームと太陽光発電を併用している住宅においては、晴天時は太陽光発電、夜間はエネファームというように、太陽光発電を最大限に活用できるとしている。

そのほか、セルラー方式のLPWA通信機能を標準搭載することで、各個体における稼働状況のリアルタイム把握を可能とし、保守点検作業を効率化。

LPWAユニット

また、これまでのエネファームにおける、ガス供給が遮断した際には給湯も止まってしまうという課題も解消。毎日1回、浴槽にためて入浴できる量のお湯を賄うヒーター給湯機能を搭載した。エネファームがガス供給の遮断を検知すると、台所のコントローラーにエラーメッセージを表示。手動でヒーター給湯に切り替えれば、貯湯タンクが空の状態でも約19時間後には40℃・約230Lのお湯が使える。ガス供給が復帰すると自動でヒーター給湯を解除して、通常運転に戻る。

機種は熱源機一体型と熱源機別置型を用意。発電出力/熱出力は、ガス種が都市ガス(13A)の場合200~700W/247~998W、LPガスの場合300~700W/408~1,041W。

燃料電池ユニットのサイズは400×350×1,650mm(幅×奥行×高さ/以下同)、貯湯ユニットは700×400×1,650mm(熱源機別置型は510×350×1,650mm)、熱源機別置型のバックアップ熱源機は480×250×750mm。熱源機一体型のバックアップ熱源機は貯湯ユニットに内蔵。