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キャッシュレスを使っているオーナーの店は導入率が高い MMD研とSquare

MMD研究所とSquareは共同で、「【第2弾】実店舗オーナーによる運営店舗のキャッシュレス決済利用動向調査」を1月23、24日に実施した。「キャッシュレス未対応で来店を止めたことがある」という消費者調査データを見た実店舗オーナーは、キャッシュレス決済導入に前向きになる傾向があるほか、実店舗オーナー自身がキャッシュレス決済を利用している場合、キャッシュレス決済導入に積極的であることがわかった。

2020年12月21日発表の第1弾は、消費者を対象とした調査だったが、本調査では実店舗運営側のキャッシュレス導入状況などを調査した。

キャッシュレス利用をしているオーナーの実店舗は導入率が高い

実店舗オーナーに、消費者としてキャッシュレス決済を利用しているかどうか聞いたところ、利用者は77%、未利用者は23%となった。

キャッシュレス決済の導入状況については、キャッシュレス決済利用者が実店舗で導入している決済は、カード決済が47.8%が最多で、次にQRコード決済が39.8%、交通系以外の電子マネーが20%となった。

キャッシュレス未利用者の導入している決済は、QRコード決済が9.3%で最多。次にカード決済が9%、交通系以外の電子マネーが2.6%。カード決済の導入率では38.8ポイントの差が出ている。

実店舗オーナーに、消費者としての普段の支払い方法について聞いたところ、77%が現金以外の支払い方法を利用。現金以外の支払い方法を利用している897人のうち、現金のみ対応の店舗で来店をやめた経験があるのは20.4%。さらに、キャッシュレス決済の導入状況でお店選びをしたことがあるかという問いには、31.1%が「ある」と回答した。

キャッシュレス決済に対応していない店舗は古いと思うか、という問いには「あてはまる」が18.4%、「ややあてはまる」が21.1%と、あわせて39.5%が古いと思うと回答。前回の調査と比べると、いずれも店舗オーナーをしているキャッシュレス利用者の方が数値が低く、消費者に比べてお店選びなどでキャッシュレス決済に対する意識は低いことがわかった。

実店舗オーナーと消費者ニーズにギャップ

キャッシュレス決済未導入の事業者に、「キャッシュレス利用者の31.5%が、現金しか使えないことが理由で店舗に行くことをやめた経験がある」という調査結果を見せる前後で質問をしたところ、調査結果を見せる前には「導入を検討する」が3.4%、「導入検討を迷う」が30.4%だったが、見た後はそれぞれ16.2%、26.4%へと跳ね上がり、導入検討については12.8ポイント増加した。事業者の消費者に対する認識と、消費者のニーズにはギャップが生じていることがわかった。

また、導入済み事業者に同様の調査結果を見せる前後で、キャッシュレス決済を継続利用するか聞いたところ、調査を見る前では「継続利用しようと思う」が65%、「継続利用を迷う」が13.2%だったが、見た後ではそれぞれ67.8%、16.6%に増加した。

キャッシュレス導入切っ掛けは消費者還元事業

キャッシュレス決済導入の切っ掛けは、「キャッシュレス・消費者還元事業に対応したかったから」が29.9%で最多。次に「キャッシュレス対応していないことによる機会損失を減らしたいから」が28.6%、「キャッシュレス決済に対応することで、新しい顧客層の開拓ができると思ったから」が26.5%となった。導入前後の客単価については17.2%が導入後に「上がった」と回答している。

導入しない理由については、「初期導入費用や各種手数料が高いから」が44.4%で最多。次に「キャッシュレス決済利用者が少ないと思うから」が37.6%、「客数・客単価が上がるとは思えないから」が37.1%となった。

手数料や管理費については、導入店舗の5割以上、非導入店舗の7割以上が「わかりにくい」と回答。導入後の不満では、「導入費用や月々の手数料の支払」27.8%と最多。次に「入金までに時間がかかる」が27.2%、「金額をミスした際、修正するのが面倒」が17%となった。

今回の調査は、予備調査で20歳~69歳の会社経営もしくは自営業をしている6,057人、本調査では決済サービスの導入決定権を持っているキャッシュレス決済導入店舗のオーナー500人、現金決済のみ対応店舗のオーナー500人を対象に聴取。予備調査の結果については、実店舗を運営かつ、決済端末や決済方法の導入に決定権がある・意見が反映される1,165人の回答を分析、取り上げている。