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緊急事態宣言、10都府県で3月7日まで延長

政府は、10都府県における緊急事態宣言を3月7日まで延長することを決定した。栃木県のみ2月7日をもって解除する。当初は1月8日から2月7日までの1カ月だったが、感染拡大は止まったものの医療体制の逼迫などを理由に延長を決めた。

継続するのは東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、京都、愛知、岐阜、福岡の10都道府県。ただし、対策が徹底し、状況が改善された都府県においては3月7日の期限を待たずに順次宣言を解除する。

感染拡大のステージ3相当を目指し、感染者数は東京で500人/日、大阪で300人/日を下回り、病床の逼迫に改善が見られることを目安とする。そのため、テレワークの拡大、イベント規模制限、飲食店の時短要請などを引き続き呼びかけていく。

ワクチンについては、「一日も早く接種に向かう」(菅総理)とし、有効性・安全性を確認した上、2月中旬に医療関係者からスタートする。これまで目標としていた2月下旬からやや前倒しした。

【菅総理冒頭発言】

先ほど新型コロナ対策本部を開催し、緊急事態宣言について、栃木県は2月7日で解除することとし、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、岐阜県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県及び福岡県については3月7日まで、1か月延長することを決定いたしました。

これまでの間の国民の皆さんの御協力に感謝申し上げますとともに、全ての地域で緊急事態宣言を終えることができず、誠に申し訳なく思っております。

また先般、内閣の一員である副大臣や、我が党に所属した議員が深夜まで会食していた問題は、あってはならないことであります。素直におわびを申し上げる次第でございます。

ここで、全国と東京の新規感染者数の推移をグラフに示しましたので、お示ししたいと思います。

全国の新規感染者数については、宣言を行った1月7日は7,721人、その後減少に転じ、昨日の2月1日は1,783人でした。東京では、1月7日は2,447人、その後大幅に減少し、昨日の2月1日は393人、さらに本日は556人となっております。このように、これまでの対策により、そして国民の皆さんの御協力により、はっきりとした効果が見られ始めています。ここで、国民の皆さんにはもう一踏ん張りしていただいて、何としても感染の減少傾向を確かなものにしなければならない、そのように判断いたしました。

これからの期間も、飲食店の時間短縮を中心に、めりはりをつけた、これまでの対策を続けます。これを徹底していくことにより、これまでの減少傾向を継続させ、入院者、重症者も減少させる必要があります。何としても、安心できる暮らしを取り戻したいと思います。3月に入ると卒業式や春休みもあります。対策を徹底し、状況が改善された都府県については、3月7日の期限を待たず、順次、宣言を解除してまいります。自治体と協力し、医療体制の確保も全力で行います。引き続き制約の多い生活で御苦労をおかけいたしますが、今一度皆様の御協力をお願いいたします。

今回延長する10都府県については、感染者数が十分に減少していると言えない地域もあります。また、多くの地域で医療体制も引き続きひっ迫しています。今後、これまでの対策を徹底して続けていただき、感染の減少を確実なものとしていきます。

新規感染者数、病床利用率などについて、当面のめどであるステージ3へと改善していきます。新規感染者数で言えば、東京で1日500人、大阪で1日300人を下回ること。さらに、病床のひっ迫に改善が見られることが重要であります。

20時までの飲食店の時間短縮、不要不急の外出自粛、テレワークの更なる拡大や、イベントの人数制限、こうした対策の徹底をお願いいたします。飲食店については以前から席と席の適切な間隔などについてガイドラインを設けてきており、引き続きその遵守をお願いいたします。

緊急事態宣言が続く地域では、改めて対策の徹底をお願いいたしますが、対策の効果が更に明らかなものとなり、現状が改善された都府県については、3月7日の期限を待たずに、順次、宣言を解除してまいります。

国会では、特措法、感染症法の改正案を御審議いただいております。対策がより実効的なものになるよう、与野党の皆さんの御尽力によって、支援と行政罰をセットで規定することができるようにいたしました。速やかな御審議を引き続きお願いしたいと思います。

重症者を始め、必要な方が適切な医療をきちんと受けることができるよう、医療体制の確保にも全力を挙げてまいります。現場の方々が財政面で躊躇(ちゅうちょ)することのないよう、また、新型コロナ患者を受け入れる医療機関が損失を被ることのないよう、しっかりと支援してまいります。この1か月で東京では、国と自治体が協力し、3,000床だった新型コロナ病床を約5,000床まで増やすことができました。新規感染者が減少しても、しばらくは入院を必要とする患者の方々は減りません。引き続き手を緩めずに取り組んでまいります。

ワクチンについては、先日、3社から3億1,400万回分の供給を受ける契約の締結に至ったところであります。接種の開始について、できる限り2月の下旬と申し上げてきましたが、一日も早くという思いで努力をしてまいりました。今後、有効性、安全性を確認した上で、2月中旬に接種をスタートしたいと思います。医療関係者から始め、高齢者については4月から接種を進めます。政府を挙げて準備を進めます。自治体に対しては、できる限りの情報の提供を速やかに進め、必要な費用の全てを国が負担いたします。全ての皆様に安心して接種していただけるよう、ワクチンの効果や副反応なども分かりやすく情報発信を行ってまいります。

変異株については、迅速な検証を可能とする体制を強化し、強い危機感を持って警戒を続けてまいります。対策は従来のウイルスと同じです。マスク、手洗い、3密の回避、こうした基本的な感染対策をこれまで以上にお願いいたします。

新型コロナの影響が長引く中で、政府を挙げてこれまでにない支援を行ってきましたが、いまだそうした支援の手が届いていないという声があります。手元の生活資金にお困りの方には、緊急小口資金などでお応えします。現在、140万円の限度額を200万円まで拡大します。所得が減っている方々には、返済を免除いたします。収入が減少して家賃にお困りの方には、住居確保給付金を用意しておりますが、この給付金の再度の支給により、更に3か月分の家賃を支援いたします。大企業の非正規の方々について、休業手当の支払いが行われない、雇用調整助成金が活用されない、こうした問題についても検討を進めており、早急にしっかりと対応いたします。与党の御意見も踏まえながら、こうした重層的なセーフティーネットにより、事業を守り、雇用と暮らしを守り、困難を抱えた方々を支えていきます。

これまでの対策により、新規感染者は減少し、効果は確実に現れています。これは国民の皆様のお一人お一人の御協力のたまものでもあります。今後1か月の延長に当たっても、これまでの対策を更に徹底し、影響を受ける方々にはしっかり支援してまいります。

多くの無症状や軽症の若者から、外出や飲食により感染が広がり、現在、世代を超えて高齢者の方々にも広がっています。若者でも重症化する事例もあります。また、因果関係は明らかになっていないものの、いわゆる後遺症とされる報告もあります。是非御自身のこととして捉えていただきたいと思います。

飲食は、家族やいつも一緒にいる方々と少人数で静かに取る。不要不急の外出を控える。マスクなしでの会話は控える。お一人お一人が行動を変えていただくことで、感染を更に大幅に縮小させることができます。

新型コロナウイルスの発生から1年以上たちました。我が国でも、世界でも、なおウイルスとの闘いは続いています。私も、日々悩み考えながら走っております。

国民の皆さんの不安を少しでも解消するために、あらゆる方策を尽くし、私の全ての力を注いで取り組んでまいります。

今一度の御協力を国民の皆さんにお願いを申し上げます。

私からは以上です。