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パナソニック、ワクチン輸送用真空断熱保冷ボックス。-70℃を18日間保持

パナソニックは、ドライアイスなどの保冷剤を用いてマイナス70℃の環境を最長18日間保持できる真空断熱保冷ボックス「VIXELL(ビクセル)」を開発した。厳格な温度維持が求められるワクチンの輸送などでも活用を見込む。2020年度末から製薬会社や流通業者などへのサンプル提供を開始し、早期の商品化を目指す。

一般的な断熱ボックスは、板状の真空断熱パネル(VIP)を貼り合わせて断熱層を形成するため、パネルの継ぎ目からの冷気漏れが課題となっていた。パナソニックは、冷蔵庫の省エネ化などで培った技術やノウハウを生かし、VIPではできなかった、箱型の立体形状に一体成型する独自加工で継ぎ目を無くし、冷気漏れの課題を解決した。

120リットルタイプと57リットルタイプを用意。57リットルタイプでは断熱材に発泡ウレタンとグラスウールを使用し、従来開発品と比較して保冷能力を約30%向上させた。

「VIXELL」は、ボックス内に蓄熱ユニットを設置。蓄熱ユニットの内外に保冷剤を充填することで、温度を維持する。蓄熱ユニットや保冷剤を変えることで、マイナス70℃以下のドライアイス温度帯やマイナス20℃以下、2℃~8℃温度帯など、多様な温度設定にも対応できる。

また、衝撃吸収構造を採用することで、ボックス内のシートの破損を軽減。ドライアイス温度帯においても、安定した輸送を可能とする。