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みんなの銀行 5月サービス開始。国内初デジタルバンクへ

国内初のデジタルバンクを目指す「みんなの銀行」が、1月4日に銀行システムの稼働を開始した。5月下旬にサービスを開始する。

みんなの銀行は、ふくおかフィナンシャルグループの子会社で、既存の銀行機能をオンライン化したインターネット銀行とは一線を画す「デジタルバンク」を目指す。デジタル起点の新しいサービスを提供し、口座開設からATM入出金、振込など、全てのサービスがスマートフォン上で完結できる。

個人向け(B2C)に、スマートフォンで完結する金融サービスを提供。さらに、みんなの銀行の金融機能・サービスを、APIを介して事業パートナー(主に法人)に提供するB2B2X事業、バンキングシステム提供事業なども行なう。

個人向けでは、スマホ完結の口座開設で、印鑑レス、郵送レス、カードレスで、アプリで銀行サ-ビスを利用可能。普段使いの「Wallet」(普通預金)と「Box」(貯蓄預金)を展開するほか、取引明細へのメモ機能などで、お金の動きを把握できる。

また、他行口座やカード明細などを管理できる「アカウントアグリゲーション」により、お金周りの情報を一元管理。口座開設とともにJCBのバーチャルデビットカードを発行し、Apple PayやGoogle Payに登録。スマホだけで口座直結の買い物が可能で、「バンキング機能を踏まえたデジタルウォレットを目指す」という。

Wallet
Walle
Record
Debit
eKYC

セブン銀行ATMを使った入金にも対応。また、デビットカードの還元率アップやATM入金手数料を優遇する「プレミアムサービス」も提供予定。プレミアムサービスでは、5万円まで一時的に無利息でお金を借りられる貸越サービスも提供する。

ターゲットは1981年以降生まれのデジタルネイティブ世代と呼ばれるミレニアル(Y世代/24~38歳)、Z世代(23歳以下)。既存の銀行サービスがカバーできていない世代だが、10年後には日本の生産年齢人口の60%となることから、デジタルネイティブ世代に支持される銀行サービスの実現を目指す。詳細は5月下旬のサービス開始時に発表予定。

開業3年目における目標値は、顧客数120万口座、預金残高2,200億円、ローン残高800億円。

初のGCP採用勘定系システム。デザインとコスト競争力で勝負

みんなの銀行のシステムは、FFG傘下のシステム開発子会社ゼロバンク・デザインファクトリーが構築した次世代バンキングシステム「Zerobank Core Solution」を活用。同システムは、アクセンチュアを開発パートナーとし、国内金融機関としては初めて「Google Cloud Platform(GCP)」を勘定系システムの構築基盤として採用する。

自動化を前提としたプロセスや、マイクロサービス/APIアーキテクチャによるパートナー連携などが特徴で、みんなの銀行(B2C)以外の外部パートナーへのバンキングサービス提供(BaaS事業)も展開していく。

FFGでは、デジタルで銀行商品を代理提供する「ネオバンク」としてiBankを展開してきた。これは銀行のフロントエンドを変更したものとなるが、みんなの銀行では、バックエンドまでデザインし直した「チャレンジャーバンク」、さらにデータを活用して銀行を再定義する「デジタルバンク」を目指していく。

既存のネット銀行との差別化については、デジタルを前提にしたサービスのカスタマイズ性や、他社サービスとの連携、フルクラウドによるコスト競争力などを生かしていく。アクセンチュアと協力してシステム構築しているが、今後内製化を進め、コスト競争力を高めていく。

九州に基盤を持つFFGだが、みんなの銀行はデジタルネイティブ向けかつオンライン完結ということもあり、全国展開が前提。Webを通したマーケティング活動を中心とし、「デジタルネイティブ世代の4割は首都圏。首都圏を中心に顧客基盤を広げていきたい。福岡で知名度が高いから福岡で、という考えはない」とした。

また、BaaSによるソリューション外販については、「できるだけ早い段階で。開業1年目でオファーバンキングの基本機能がそろったところでマーケティングしていきたい」と説明した。