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ソニーAI、ゲーム・写真の次は“食”。「ガストロノミー」創作支援
2020年12月15日 19:01
人工知能の研究開発を推進するソニーAIは、シェフの想像力や調理能力向上に貢献する「レシピ創作支援AIアプリ」や、「調理支援ロボティクス」の研究開発を開始。活動の礎となるコミュニティによる共創活動も開始した。AIによる独自アルゴリズムで新たなレシピを開発したり、シェフの調理をサポートできる高機能なロボット開発を目指す。
ソニーAIでは、ソニーの既存事業領域である「ゲーム」と「イメージング&センシング」に加え、新規探索領域として「ガストロノミー」を研究開発のフラグシップテーマに設定。ゲームや音楽、映画と同様に「ガストロノミー」もシェフであるクリエイターと人を結ぶ、グローバルなクリエイティブエンタテインメントの領域と位置づけ、その機会を捉えるため研究開発と各種パートナーシップを推進していく。
レシピ創作支援AIアプリは、食のレシピや食材に関する様々なデータ(味や香り、風味、分子構造、栄養素など)を元に独自の解析アルゴリズムと、世界トップクラスのシェフも納得する新たな食材のペアリングや、レシピ・メニューの 創作を支援するアプリを開発する。
例として、中心にあるチョコレートと大吟醸酒という組み合わせを選択した場合、それに最適な食材(イメージでは、カリフラワーや、海苔、雲丹等)をAIが提案する。
料理の味が美味しいことに加え、人の健康に寄与し、環境のサステナビリティにも貢献するレシピの提案を目指す。開発は、世界トップクラスのシェフとの対話から得られる知見や、食材に関する様々なデータを提供するパートナーとの協力関係を築きながら推進するという。
調理支援ロボティクスでは、世界トップクラスのシェフの右腕になり、またある場面においてはシェフの技能をも凌駕する、高度かつ精密な調理支援ロボットの研究開発を推進。調理には、形状や特性の異なる食材の下準備や様々なツールを用いることで素材の物理的変化を伴う調理作業、盛り付け(プレイティング)など複雑な工程がある。シェフとのコラボレーションを通じ、その技術をセンシングやAIを活用しロボットに学習させることで調理から盛り付けまでの全工程でシェフを支援することを目指す。
さらに、リモート技術を用いたロボットの遠隔操作も研究開発の対象とし、遠隔地でより多くの人にシェフの料理を提供するなどの実現も視野に入れる。
活動の礎とする、コミュニティとの共創活動では、世界中のシェフや、大学、研究機関、企業などと共に開発を推進。シェフとの関係を構築する第1弾として、「シェフ・インタビュー・シリーズ」をソニーAIのサイトで公開した。18名のシェフや食の専門家へのインタビューをリモートで実施し、新たなメニュー開発における発想の原点や、プロセス、テクノロジーの活用に加え、サステナビリティなど今後の食を取り巻く環境に欠かせないトレンドについてヒアリングしている。今後も継続的に食に関わるクリエイターや見識者らとの対話を続けることでその知見をAIアプリやロボット開発に役立てるという。