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東海道新幹線、空気を入れた水で雪害を防ぐ「エゼクタノズル・スプリンクラー」

JR東海は、東海道新幹線において、新型スプリンクラー「エゼクタノズル・スプリンクラー」による雪害対策を試行的に実施する。スプリンクラーからの放水に空気を送り込む事で従来よりも列車風による雪の舞上がりを起きにくくする。

東海道新幹線では、積雪時、列車の走行によって舞い上がった雪が車両床下に付着し、塊となって線路に落下してバラスト(レールの下の砂利)を跳ね上げることで、車両床下の機器が破損することがあるという。このため積雪時は速度を落として運行をする。

これを防ぐため、スプリンクラーで散水することで雪を濡らし、列車への付着を防ぐ取り組みを行なってきた。しかし、一般的なスプリンクラーでは水の粒が大きく、水が雪の表面に留まらず積雪内に沈下して入り込んでしまう。特に氷点下の気象条件では、散水しても雪の表面全体に軽い雪が残るため、それらが列車風で舞い上がり新幹線車両に付着することがある。

新型のエゼクタノズル・スプリンクラーでは、ノズルに空気を送り込むことで水の粒の大きさ(直径)を平均11%小型化。粒を小さくすることで氷点下の気象条件でも雪の表面全体を濡らすことができ、雪の舞い上がりを起こりにくくできるという。

また、空気を送り込むことで使用する水の量も削減。線路延長20mあたり1時間約100Lの節水になる。

試行期間は12月から2021年3月まで。場所は滋賀県米原市北方。試行延長は200m。既存のラッセル車による除雪や、車上カメラ、地上カメラによる着雪状況の監視などと合わせてその効果を検証する。