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富士フイルム、独自の抗菌スプレーでコロナウイルス感染抑制確認
2020年11月17日 17:05
富士フイルムは、独自の抗菌技術「Hydro Ag+(ハイドロ エージープラス)」を活用した環境清拭材「Hydro Ag+アルコールクロス/スプレー(80％)」について、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染抑制効果が確認されたと発表した。
帯広畜産大学との共同研究の一環で実施した、新型コロナウイルスに対する効果確認のための評価試験において、99%以上のウイルスを不活化したという結果を得たと発表。「Hydro Ag+アルコールクロス/スプレー(80％)」を用いた環境清拭を継続的に実施することで、新型コロナウイルスの感染抑制効果が期待できるとしている。
Hydro Ag+アルコールクロス/スプレー(80％)は、医療や介護の現場、一般家庭における環境清拭用途として使用される製品。
同製品は、Hydro Ag+により銀系抗菌剤と室温で硬化する超親水ポリマーがアルコール溶液中に分散されている。使用することで、対象物のアルコール除菌ができるとともに、対象物の表面に銀系抗菌剤を含む超親水コーティング層が形成され、アルコールが蒸発した後も除菌効果が持続するという。
評価試験では、同製品の液剤を、それぞれ20回・40回・60回塗布(1回の塗布量は400cm2の試験フィルムに0.96ml)した3種類の試験フィルムを用意。塗布20日経過後に、試験フィルムの液剤を塗布した面にSARS-CoV-2液を滴下し、その上に無加工のフィルムを被せて密着させ、室温で24時間静置。
その後、SARS-CoV-2液を回収し、試料中に含まれる感染力を持つウイルス量の指標であるウイルス力価(りきか)を算出。試験フィルムに滴下したSARS-CoV-2液と、試験フィルムに滴下せずに室温で24時間静置したSARS-CoV-2液のウイルス力価を比較し、同製品の液剤を塗布した試験フィルムのウイルス不活化を評価したという。
結果として、液剤を40回および60回塗布した試験フィルムは、塗布20日後に99％以上のウイルス不活化が認められ、また液剤を20回塗布した試験フィルムでも、塗布20日後に86％以上のウイルス不活化が認められたとしている。
この結果から、Hydro Ag+アルコールクロス/スプレー(80％)で1日2回の清拭を継続することにより、対象物の表面に銀系抗菌剤を含む超親水コーティング層が日々塗り重ねられ、10日後には86％以上のウイルス不活化効果が出始め、20日後には99％以上のウイルスを不活化することが期待できると説明している。